«前の日記(2021-05-21) 最新 次の日記(2021-05-23)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2021-05-22 【不器用ですが...】

朝ドラの新作『おかえりモネ』の第1週が終わりました。今日は、その『おかえりモネ』の主役、「清原果耶」さんのお話でございます。

ワタクシはね、彼女のことを「等身大の役者」と評価しております。え~と、あまり意味がよく分からないですよね。チョイト彼女を酷評するような感じになっちゃいますが、端的に言えば、「自分のキャラとは違う人物、違う年齢を演じられない役者」という意味でございます。アッ、彼女のファンの方、怒り始めるのはチョイト待ってて下さいね。

役者さんの中には、いろんな人物を演じ分けられる器用な人も大勢いらっしゃいます。最近の朝ドラですと、「安藤サクラ」さんなんてのがその例。役に応じて立ち居振る舞いも変われば、顔つきや声まで変えてしまう。脚本を読み込み、自分の役を研究し、ストイックに自分の役を作り込んでいくタイプの役者さんでございます。こういった役者さんというのは、やった事が無い新しい役をもらうのは、だいたい、嬉しいものでございます。

逆に、そういった器用さを持ち合わせない不器用な役者さんもいらっしゃる。え~と、これまた非常に言葉が悪いですが、「何を演じても同じ」ということになる。アッ、清原果耶さんのファンの方、まだ、怒っちゃダメですよ! 単純にダメな女優さんなら、朝ドラの主役に抜擢されるということは無いですよね。時として、この「不器用」ということが大きく輝く事が有るのでございます。

「不器用ですから」と言うCMを覚えていらっしゃいますでしょうか? そう、「高倉健」さんでございますね。CMの台詞通り、高倉健さんは不器用な役者さんでございます。何を演じても、そこには高倉健がいる。「石原裕次郎」さん、「木村拓哉」さんとかも同じ。ただ、全ての不器用な役者さんがトップスターになれるかと言うと、そうでも無い。はてさて、清原果耶さんにトップスターの素養は有るのでしょうか?

清原果耶さん、まだまだ演技の引き出しはそれほど多くないように感じられるのでございます。少ない手札を、トッカエヒッカエ使っているという感じ。ましてや、老け役などはもってのほか。まさに、今の彼女本人の等身大でギリギリイッパイで演じているという感じ。でもね、時々、すごく良い魅力的な表情が、一瞬なのですけど、キラリと見えることが有る。このキラリが有るからでしょうねぇ、彼女が主役に大抜擢されたというのは。

清原果耶さんのこういった性質を、NHKもよく分かった上で採用しているのが伺えるのでございます。まず、今回の話は、オリジナルストーリーでございます。オリジナルですから、モデルとなった誰かの「一代記」とする必要がない。つまり、今回の話では、主役が老け役を演じるということは無いでしょうね。朝ドラ『なつぞら』で老け役に挑戦していたのは、NHKのカメラテストだったかも知れませんね。

オリジナルということは、脚本の「当て書き」も可能。つまり、既に決まっている主役のキャラに合わせて、お話を書いていくということでございます。これならば、等身大の役者さんでも演じられる。当初ワタクシは、老け役も必要な朝ドラの主役ということで、清原果耶さんには荷が重いのではと思っておりましたが、NHKも、どうやら、同じ事を思っていた様でございます。

え~と、ワタクシなどが言うのはおこがましいとは思いながらも、最後にひと言。朝ドラ『あさが来た(2015年)』や『透明なゆりかご(2018年)』では、まだまだ不器用さや未熟さが見え隠れしてましたが、それから場数を踏んで、良い感じに「腹が据わってきた」様に見えるのでございます。顔もややフックラとして、仏像顔になって来た。不器用なまま大成するか、器用になって別の道を歩むかは、本人次第というところでしょうか。今後の活躍に、期待いたします。


«前の日記(2021-05-21) 最新 次の日記(2021-05-23)» 編集