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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-05-10 【自業自得】

昨日、ファミリーヒストリーと称して母親の事を書きました。書いたずっと後に気がついたのですが、日曜日は「母の日」でございましたね。母親の「私の事を思い出さんかい!」という想いが、天国からワタクシに届いたのでしょうか(笑)


お話は変わって、全国的にワクチン接種が進められておりますが、どこの地域も大混乱。まぁこれは、どこも十分に想定内。アメリカなどでも、ワクチン接種の当初は大混乱したそうでございますよ。そして1ヶ月くらい経つと問題は全て出つくして、今度は逆に、非常に効率的に改善されたそうでございます。

アメリカ人の思考は、「トラブル上等、まず、始めよう」でございます。出てくるトラブルはやりながら修正し、理想型に近づけて行くという方法論。数学でいうところの「帰納法的」な解決方法でございますね。「絶対間違いないところをまず着手し、少しずつ手を広げていく」という手法でございます。

で~は、日本のお役所はどうでしょう? 「議論に議論を重ねて、絶対に間違いのないやり方が決まるまで議論を煮詰める! そして、実行。トラブルが出なければ大正解。トラブったらふりだしに戻って、また議論」といった感じかな。まず大前提を立ち上げてから行動に移すという「演繹法的」な方法論でございます。

国民性なので仕方が無いって言えば仕方が無い。けれど、スピードが求められる事項に関しては、アメリカ人的なやり方の方が絶対に有利でございます。それは多分、現場の人達も十分に分かっているはず。だけどその様に実行出来ないのは、日本人の風潮が、やたら「失敗」に対して手厳しいから。「失敗を追い込む風潮」が有る。日本のコロナ対策を停滞させているのは、他ならぬ、日本人の気質なのでございます。

で、ワクチン接種の申し込みですが、これも各自治体が独自の方法でやっているのが、何とももどかしい。光ファイバーで情報がやり取りされるこの時代に、「電話」で申し込むとか、あぁ、何という前近代的な手法だろうか! なぜこうなってしまうかと申しますと、それは、「日本には、国民が”プラットフォーム”に乗っかっていないから」でございます。

プラットフォームというのは、いろんな情報をやり取りする場合の土台の様な物。総務省が推し進めている「マイナンバー」も、「マイキープラットフォーム」という土台が有って、その土台に、住民票や戸籍の紐付け、銀行口座の紐付け、各種ポイント、公共施設の利用...といった付加機能を組み込んで行くのでございます。ですから、本来ならば、ワクチン接種もこのプラットフォームを利用すれば簡単だったはずなのでございます。

国民全員がこのプラットフォームに登録されていると仮定しましょう。すると、ワクチン接種に関しても、このプラットフォーム上に「順番を決めるシステム」を構築するだけで、ほぼ半自動でワクチン接種の該当者を抽出できるはず。アッという間でございます。申し込みもスマホでOK。今、何人待ちで、何日の何時にどこの会場に行けば良いかも、ほぼ半自動でやれるはずでございます。

さて、現状はと申しますと、マイナンバーをそこまで利用出来るほどには、普及も法整備もされていない。結局、役所内でやっている作業は、昭和の時代からほぼ変わっていない。各自治体がバラバラな方法で、そしてバラバラな窓口で対応するしかないという人海戦術。諸外国に比べてここまで周回遅れにさせた原因は、日本国民の個人情報に対する潔癖症でございます。

以上、日本のコロナ対策、そしてワクチン対策のもどかしさ、これの最大の原因は、日本人が持つ「失敗を追い込む風潮」、「個人情報に対する過度な潔癖症」なのでございます。政府を責める前に、まず、「我々が自分で自分の首を絞めてきていたんだ」ということに気がつくべきだと思っております。これを機に、いろいろ議論が交わされて欲しいなぁ。では、では。


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