店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
性適合治療薬、米国で賛否両論
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00365/
要約しますと、世界的に「性同一性障害の治療」が広まっている中で、それに異を唱える人達も出始めてますよ、というお話。18才未満の人への性同一性障害治療薬の投与を禁止する法案も、ちらほら出ているとか。推進派、否定派、それぞれに言い分が有って、混沌とした状態。LBGTがらみのヘルスケア産業は、今、その議論が望まれるといった感じの内容でございますね。
さて、ワタクシは、「性同一性障害」なる病名が「発明」される以前から、ニューハーフ業界に携わり、多くのニューハーフや女装者を見て来ております。そんなこともございまして、「性同一性障害」というものには、チョイト冷ややかな、そして懐疑的な目で見ておりますよ。ですから、一部の人にとってはいささか不愉快な発言が有るやもしれません。それを予め、お断り申し上げておきますね。
で、まず言いたいのは、「性転換願望のある方々の大部分は、性同一性障害ではない」ということ。仮に「真の性同一性障害者」がいるとしても、その割合は非常に少ないということ。では、残りの「その他大勢」はいったい何なのか? ワタクシの見てきた感じでは、うつ病などの心の病、軽い発達障害、統合失調症や乖離性同一性障害、あるいは単なる変身願望等ではないか、とワタクシ、思うのでございます(あくまで、個人の印象です)。
こういうのを見てますと、小さな子供に性同一性障害の治療を始めさせるというのは、とっても心配になるわけでございます。親やドクターが「この子は性同一性障害だ」と思っていても、当の本人は単なる発達障害なのかもしれませんよね。子供の時に出ていた症状や言動が、大人になるに従って消えることもございます。少なくとも、第二次性徴あたりまでは、治療を始めずに、様子を見る必要が有ると思っております。
でもね、治療をする側からすると、その第二次性徴までに治療を始めたいのですよ。だって、その方が、治療の効果が大きいですから。だから、推進派のドクターは、出来るだけ早く治療を始めようとする。こういったせめぎ合いの中で生まれたのが、冒頭で紹介した記事にある「18才未満への性同一性障害治療を禁止する」法案でございます。
ここでワタクシ、「性同一性障害の治療は、その方向性が偏っている」と強く申し上げたい。どういうことか、ご説明しますね。例えば、「目が見えない」という障害者の場合は、「目が見えないなりに、どうやって社会と折り合いを付けて生きるか」という心のケアも、治療の一環でございます。でも、性同一性障害に限っては、即、「性別適合手術」ありきで治療が進められてしまう。おかしいと思いませんか?
これには、いろんな要素が絡んでまして、まず、精神科学会の「同性愛を治療するということはタブー」という考え方が影響しております。これは19世紀に、同性愛者を電気ショックやロボトミー手術で「治療」しようとした黒歴史が有るのですよね。その反省も有るのでしょう。「精神医学的な観点から性同一性障害を治療する」ということは、世界中が沈黙しているのでございます。
そして、近年、性別適合手術の技術が進んで、それに伴い、法律も緩くなってしまったこともございます。ハードルが高かった時代なら、「なんとか社会と折り合いを付けて生きていかなければ」とも思えた。しかし、なまじっか「出来るようになってしまった」ために、(多分)本当は性同一性障害じゃ無い人が大勢、この手術を求めて流れ込んでしまった。そんな騒ぎの中で、関係者が皆、「マイノリティを救っている」という錯覚に酔ってしまった感がございます。