店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
朝ドラ『おちょやん』から目が離せない! よく言われる「起承転結」の「転」を、今、通過中でございます。そして残り2週で、「結」として締めくくるわけでございます。ということで、一番面白いところでございますね。
主役を演じる「杉咲花」さんのことを、ワタクシ、「振り切ることの出来る良い役者さん」と申し上げております。そしてここに来て、もうひとり、よい役者さんが登場(再登場)してきまして、ワタクシ、小躍りをする程に喜んでおります。子役の「毎田暖乃(まいだのの)」ちゃんでございますね。
半年前の初登場時には、主人公の幼少期を巻き舌の河内弁で小気味よく演じておりました。一方、今回の再登場は、主人公の姪の役。言葉遣いも丁寧に、愛らしく健気な子供を演じております。その見事な演じ分けに、ネットは大騒ぎになっております。
この毎田暖乃ちゃん、今回の再登場でワタクシが注目したのは、この子の「モグモグ」でございますね。口の中に食べ物を放り込むシーンが多いのでございます。演出の指導なのか、本人が無意識に、あるいは意図的に? 真相は分かりませんが、本来、役者は演技の中での咀嚼(そしゃく)って、非常に恐いのでございます。
仮に台本に「(○○を食べながら)」と書いてあっても、口に放り込む量やタイミングに最新の注意を払うものでございます。食べかすが飛び散らないように、口に入れたらさっさと飲み込んで、食べているフリをすることもございます。だからこそ、毎田暖乃ちゃんが、ごくごく自然に、パクパク、モグモグしている姿を見て、「この子、すごいなぁ」と思うわけでございますね。
逆に、「口に食べ物を放り込む」というのは、役者のひとつのテクニックであったりもいたします。意図的に、計算して、それをやるわけですよね。かなり以前のことですが、このテクニックで、すごく印象的なシーンを見たことがございます。何のドラマかは忘れましたが、水谷豊と伊藤蘭さんのシーンでございます。
現在はご夫婦の水谷豊さんと伊藤蘭さんですが、そのお二人が結婚する前の何らかのドラマのワンシーン。テーブルを挟んで、二人が会話をしております。水谷豊さんが何かのセリフを伊藤蘭さんに投げかける。伊藤蘭さん、ひと呼吸置いてから、テーブルの上に有った何かをパクリと口に入れる。そして、モグモグしながらセリフを返したのでございます。
大俳優の水谷豊を前にして、元アイドルの伊藤蘭さんが、口に物を入れながら台詞を言うとな! おそらく、伊藤蘭さん、計算してやってましたね、これ。だとしたら、相当な度胸でございます。伊藤蘭さんのウィキには「日大芸術学部演劇学科中退」と書いてありますので、演技に関する憧憬はアイドルになる前から有ったのでしょうね。