店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
松屋の券売機の画面でございます。「牛焼ビビン丼」を選択するボタンが並んでおります。ワタクシ、券売機のこの画面に行き着いたとき、妙な違和感に襲われたのでございます(最近、好きだなぁ、この言い回し、笑)。その違和感をひとつひとつ、紐解いて行きましょう。
ワタクシは、シンプルな「牛焼ビビン丼」を食べたかったのでございます。でもね、この画面を見た時、長年、松屋に通っているこのワタクシが、自分の目的とするシンプル牛焼ビビン丼を、一瞬で見つけられなかったのでございます! 一生の不覚! クセのある券売機ではございますが、その券売機に熟達しているというワタクシの自負は、ガラガラと崩れ落ちたのでございます。
この選択画面が、いつものルールと違うのですよね。普通は、シンプルな物ほど左に並んでいる。ですから、松屋マイスターのワタクシといたしましては、まず一番左を見る。でもそこには「豚汁生野菜S」と書いてある。「エッ? ビビン丼の選択画面なのに、どうして豚汁や生野菜の選択ボタンが?!」と思いつつ、視線を右に移しますと、そこにはシンプル牛焼ビビン丼の選択ボタンが!
あのねぇ、この配列、一番高額な物を間違って押させようとする気、満々ですよね(笑)。おいおい、天下の松屋が、姑息すぎるだろ(笑)。しかも、最初、「S」が何のことだか分からなかった。全体を見回して初めて、「あぁ、セットのことかぁ」と納得。いかにも理系の技術者が作ったであろう独りよがりのデザインでございます。
世の中には、「手に馴染んでいる」「目に馴染んでいる」というものが多いのでございます。自分のデスクの上の雑多な文房具とか、他人に片付けられて位置がガラッと変わってしまうと、たちまち探しまくるということもございます。街の道路標識や信号のデザインなども、見やすく、また見間違えないように、一定のルール(ガイドライン)に従って設置されているものでございます。
さて、松屋の券売機、この部分だけ、どうした?! ワタクシが勝手に想像するに、「新製品だから、どんな汚い手を使ってでも売上を上げろ!」という上層部のお達しか? あるいは、ここだけ新人の社員が任されて、今までの流れを知らずにデザインしてしまったか? 又は、以後、順次、この方式に変更されていく進化(退化?)の過程なのか?
券売機の画面のデザインなどを、「マン・マシン・インターフェース」と呼ぶのでございます。直訳すると「人と機械との接続部分」ですな。ですから、ボタンとかレバーと呼ばれる物すべて、自動車のハンドルやペダルなどもそう、パソコンのキーボード、アプリケーションのウィンドウやダイアログのデザインも、マン・マシン・インターフェースの一種でございます。