店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
姉さん事件です! とばかりに、昨日はある「事件」のお話をいたしました。しかし、事件はこれだけでは無かった! もうひとつの別の事件が、ちょうど1週間前の日曜日の夜にも、発生しておりました。今日は、その顛末をお話しいたしましょう。
場所は、当店の(元)キッチンのシンク。キャストが手を洗ったり、歯を磨いたり、うがいをしたりする場所でございます。事件が起きたのは、夜の10時頃だったでしょうか。そのシンクの排水口はこんな感じ。この排水口の形状を、よ~く記憶したまま、お読み進め下さいませ。
このフタを取ると、その中にはカゴが入っております。カゴを出しますと、円筒形状の穴がポッカリと開いております。排水口のカゴを取り出し、その夜、ワタクシが何をやろうとしていたか? それは、それは、「詰まり抜き」でございます! この円筒形状の穴が、ある物のサイズとピッタリなのですよねぇ。それが、コレ!
そう、俗にいう「スッポン」でございますね。もうね、あつらえたんじゃないかと思うくらいに、オスとメスが全く同じサイズ。シッポリとはまるわけでございます。ただ、このままズコズコやっても隙間から空気が抜けるだけ。スッポンのポテンシャルを余すところなく使うためには、ある秘策(秘策なのかな?)が必要なのでございます!
そう、水を溜めるのですよね。水圧がかかることで、スッポンがより吸着いたします。上から水でフタをしている形になっていますので、空気が抜けてスカスカすることもない。さらに、スッポン使いには奥義が! オスではなくメス、いや、もとい、押すではなく「引く」ときに力を入れるのです!
さてワタクシ、水を溜めて、スッポンをズコズコやっておりました。いや、押すときにはゆっくり、引くときは力を込めて一気にですから「ズ~~・ズコッ」でございましょう。水の流れ具合を確認しながら何度かズ~~・ズコッ、ズ~~・ズコッとやった時のことでございました。何やら、ガクンとした手応えが、ワタクシの両手に伝わったのでございます。
この後の惨状は、再現映像はございません。再現映像で説明するには、あまりにも悲惨すぎる。どうか、どうか、文字による説明でご想像下さいませ。スッポンを引き抜いたとき、円筒形状の部分がゴッソリとシンクから外れ、スッポンにぶら下がるような形で持ち上がって来たのでございます!
画像を見ていただくと分かりますが、円筒形状の部分とシンクは、一体とはなっておりません。円筒形状の部分(トラップと言います)をシンクにはめ込み、裏から大きなナットで止められているのでございます。長年の、金属ならぬ塩ビ疲労、そして、スッポンを引き上げるワタクシの強大な力。ギリギリまで耐えていたそのナットは、歪みの限界を通り越して割れてしまったのでございます。
もうね、おでんの鍋をひっくり返したような騒ぎなんてもんじゃござんせん。浮き上がったトラップとシンクの隙間から、溜めてあった大量の水が、まるで映画「タワーリングインフェルノ」のラストシーンのごとく、シンク下に流れていくのでございます。引き上げたスッポンを慌ててシンクに押しつけますが、ときすでにお寿司、大洪水がシンクの下を襲った後でございました。
え~と、冒頭で、時間は夜の10時頃と申し上げましたよね。そう、まだお客様が来店される時間でございます。しかし目の前には、ダムが決壊したような惨状が拡がっている。水は待ってくれない。階下への漏水だけは避けたい! ワタクシの脳裏には、田宮二郎の「現代は時間との闘い」というセリフが、カラオケのエコーを最大にしたような音響で鳴り響いておりました。
雑巾や古バスタオルを総動員しまして、床のフキフキでございます。シンク下のガラクタを片付けながら、片っ端から拭く、絞る、拭く、絞る、電話が鳴る、拭く、絞る、ドアホンが鳴る、素知らぬ顔で応対する、拭く、絞る。小一時間、水との戦いでございました。
強者どもが夢のあと、営業終了した頃には、事態は何とか収拾しておりました。でもこれ、修理しないわけにはいきません。深夜の2時頃でございましょうか、ワタクシ、物は試しに、「クラ○アン」に電話いたしました。当然、留守電になっていると思いきや、声の綺麗な男性のオペレーターが電話に出たのでございます。
事情を説明すると、「修理の手配をしますから、電話を切ってお待ちください」とのこと。待つこと数分。かかって来ましたよ! 「朝の8時から10時の間にお伺い出来る」とのこと。もうね、頼もしい事この上ない! 「クラ○アン」が国際救助隊サンダーバードの様に、一瞬、思えたのでございます(ウソ)。