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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-12-14 【映画も宇宙もアメリカは桁違い】

はやぶさ2の帰還でひと盛り上がりありましたが、初代はやぶさの様な大騒ぎにはなりませんでしたね。10年前の騒ぎの時には、はやぶさを題材にした映画やドラマが複数乱立。もうね、アホかと、バカかと。なんで、みんなで協力して、大きな予算で規模の大きい映画を1本作る、という発想にならなかったかなぁ?

そもそも、小惑星から石ころを持ち帰るという計画は、当初はJAXAとNASAの共同の計画だったのですよ。ですが、NASAから「自分たちだけで間に合ってるから、JAXA、いらね」と言われて梯子を外された。それで「目にものを見せてやる」とばかりにガムシャラに進められたのが、日本の「はやぶさプロジェクト」なのでございます。

日本の「はやぶさ2」が世界的なニュースになってますが、実は、そのNASAによる「米国版はやぶさ」が、10月に「ペンヌ」という小惑星に着陸してサンプルを採取しているのですよね。そのサンプルの量が、最低でも60g、最高2kgまで持ち帰り可能とのことで、砂粒を少しお持ち帰りの「はやぶさ2」とは桁違いのことをやらかしてる。まぁ、あまりニュースにならないのは、はやぶさへの忖度なのでしょうか?

これね、JAXAや日本のマスコミは、宣伝のツボを間違えてる。はやぶさプロジェクトの何がスゴイかと申しますと、その「低予算」にあるのですよ。はやぶさプロジェクトは、先述の米国版はやぶさの3分の1の予算。アポロ計画と比較すると(これは乱暴な比較、笑)、300分の1の予算なのですよね。

つまりですね、「日本はこのプロジェクトを、この予算でやった」というキャッチフレーズをもっと全面的に出すべきなのでございます。予算額を世界中の宇宙開発先進国の関係者が聞いたら、驚いて、椅子から飛び上がって、天井を抜いてしまうほど、それ位、驚愕の低予算で成し遂げているのでございます。

世界中が「はやぶさ2」をニュースにしてくれてますが、まぁその賞賛の裏には、「日本にしてはよくやった」という気持ちを飲み込んでくれているのでしょうね。日本が低予算の話をもっと前面に出していたら、このはやぶさプロジェクトを見る世界の目は、もう少し違って来たでしょうにねぇ。

宇宙開発は、とにもかくにも予算なのですよね。アポロ計画だって、10本のロケットを試し打ちした上で、アポロ11号で「本番」なのでございます。低予算だと、試し打ちどころか「絶対に失敗出来ない」という背水の陣で臨むことになる。初代はやぶさが奇跡的に成功したから、はやぶさ2の予算が下りたようなもので、初代があのまま行方不明だったら、このプロジェクトは消滅していたのでしょうね。

米国版はやぶさが地球にサンプルを持ち帰るのは、2023年の9月だそうでございます。その時に、なにかと「はやぶさ」「はやぶさ2」と米国版とが比較されるのが、なんともシャクですねぇ。まぁ、どこかのお隣の国と違って、やたら競争意識丸出しで報道されるってこともないでしょうから、あまり心配はしていませんけどね。

最後に、冒頭で「NASAが梯子を外した」なんていう仲違いをしたような記述をいたしましたが、米国版はやぶさのチームは、小惑星着陸時のノウハウ提供に関して、はやぶさプロジェクトに協力を要請してきたとか。だったら、平行して同じ事をするよりも、協力して大きなことを一つやればいいのにね。あれ、なんか、同じ事を少し前に行ったような気がするなぁ...では、では。


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