店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
今日もまたテレビの感想で申しわけないのですが、Eテレの『エウレーカ』という番組で、魚の生態に関するお話をしておりました。魚を増やすために「放流」というのを行いますが、その放流、お魚がいなくなってからやっても全く効果がないそうでございます。
え~と、どういうことか、ご説明しますね。お魚というのは非常に賢くて、長く住んでいると、自分の環境の危険度を学習しているそうでございます。いわゆる、「生え抜きの魚」でございます。生え抜きの魚が残っているところに新たに放流をしますと、生え抜きと新参者ならぬ新参魚が群れを作ります。すると、新参魚は生え抜きから環境の危険度を学習することが出来るのですね。群れが一丸となって生き残れるということでございます。
これがね、お魚が全くいなくなった所に放流をしますと、新参魚ばかりで群れを作る事になる。環境の危険度はこれから学習をするという状態。これではあっさりと全滅してしまうそうでございます。つまり、環境を回復するには、まだ生え抜きの生物が残っていることが重要ということ。全滅してしまうと、元の環境に戻すのは非常に難しくなるということでございます。
話は飛んで、最近はコンビニに焼き魚・煮魚が並んでおりますよね。いかにもコンビニらしい綺麗で密封されたパッケージングがされております。あれ、全国規模で見ると、毎日大量に売れ残っているのでしょうねぇ。コンビニの売れ残りは焼却処分。一部は家畜の餌になるとは言え、もったいないなぁ。これさ、街のお魚屋だったりすると、売れ残りを佃煮にしたりして有効利用するのですよね。資源の有効利用で考えると、街のお魚屋は、もっと優遇されるべきだと思うなぁ。
ネオン街に現れる“セレクトショップ”。路上生活者が「売れ残り」を救う/夜のパン屋さん
https://www.asahi.com/and_w/20201110/2588878/
このパン屋さんは、夜しか営業していない。パンを作っているわけではなく、他のパン屋のその日の売れ残りを回収して並べている。価格は定価。各パン屋から売れ残りの商品を「預かっている」という形なのでしょう。売れ残りにも関わらず、毎日、多くの人が買いに来ているそうでございます。残り物とは言え、商品は一流品。そして、「夜でも確実にパンが並んでいる」という安心感が、人を呼び寄せているのでしょう。
これさぁ、コンビニがこれをやったら? 時短営業でゴタゴタしてますけどね、もう完全に、お昼の店舗と夜の店舗を分けてしまう。そして、お昼の店舗で売れ残った商品をゴッゾリ回収しまくって、夜の店舗に並べてしまう。だから、夜の店舗はそれほど多くなくてもいい。店内の商品は全部、多店舗の売れ残り品だから、商品管理もやりやすい。いかがなものでしょうか?
コンビニってのは、棚を空けないように、ちょっと多めに発注してるでしょ。これが大問題。売れ残ること前提で店舗が回っているわけですな。そして24時間営業をしているので、常に新鮮な商品が並んでいる一方で、ほんの少し古いだけの商品が絶え間なく発生する事になる。このほんの少し古いだけの商品をかき集め、ひとつの店舗でそれ専門に販売してしまおうという戦略でございます。
昼間の店舗は、夕方までの分をギリギリの量で発注し、たとえ売れ残りが発生しても回収されて夜間店へ運ばれるので、廃棄の心配をしなくてもいい。単なる時短営業だと、この廃棄の負担が大きくなるのですが、売れ残りを夜店舗に回す事によって、その廃棄の心配をせず、時短営業が可能となるわけでございます。