店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
なんか、大阪都構想の住民投票が有ったみたいですね。NHKのその報道番組延長のために、深夜のNHK番組表が大混乱。で、その時間帯には「赤毛のアン」と「未来少年コナン」(どちらも最終回)が控えていたという、なんという間の悪さ。「録画失敗した!」「なんとか録れていた!」ネットは大騒ぎでございます。
大阪都構想の住民投票、数字を見ると「拮抗」というのが正解でしょ。でも、「反対多数」と報じるニュースもチラホラ。ちょっと、悪意というか恣意的なものを感じますなぁ。というか、今の時代、「住民投票」というシステムそのものが、非常に危険だと思っております。
住民投票、こんな民主的で合理的な決め方が有るだろうか! 前ネット時代なら、多分、こう言い得ていたでしょうね。でも、ネットの時代に入り、世の中の情報の伝達速度が飛躍的に速くなりますと、「多数派」と呼ばれるものが、実に刹那的な状態に変わって来ているのでございます。
例えば、イギリスのEU離脱、あるいは、トランプの大統領当選、あるいはエジプトのジャスミン革命(2011年)、どれもネットによって世論が大きく揺れ動かされた末に発生した出来事でございます。識者の予測を大きく覆す結果が出たり、些細なきっかけから急激に世論が盛り上がったりしたのは、ネットに即効性が有るからでございます。
ひと昔前の「世論」というのは、実にゆっくりと変化したものでございます。まず、「世論を変えよう、訴えよう」という意識のある人の割合が限られていた。さらに、訴える場所も、新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオ・政治家に直談判くらいなもので、それなりの動機的パワーが必要で、かつ、世の中に伝わる速度もそれなりだったのですよ。
そして今や、ネットの時代。携帯電話さえあれば、誰でも発信者になれる時代。そして、情報は光の速さで隅々まで到達する。フォローやリツイートで拡散され、情報は指数関数的に広まって行くのでございます。これだけ速く情報が広まると、何が起きるか? それは、誘導、扇動、ミスリード、騙(かた)り、策謀...匿名性が高く無法地帯、ずるいことを考える人にはうってつけの活動場所でございます。
ネットには即効性が有るので、ウソの情報もホントの情報も、流れ出したらすぐに効き目が出る。ウソの情報なんて後にすぐバレるのですが、例えば投票日の直前にミスリードさせるようなウソ情報を流すとどうなります? 投票日に自分の意見を変える人も出てくるかもしれませんよね。ウソだとバレた時には、それこそ後の祭りということに。
今の世論は、ネットの情報で簡単にコロコロ操作出来るようになってしまっております。悪意の有る人が世界中の世論を操作するのも、やろうと思えば出来てしまう。そんな状態で、国や地域の大きな決断を住民投票に委ねてしまうということがどれほど危険なことか! 住民全員の総意で決めたと思っていても、実は誰かの手のひらの上で転がされていた...ということだったりするかも。