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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-09-18 【スポック「船長、それは非論理的です」】

今日の「チコちゃんに叱られる!」の問題のひとつに、「なぜ、数学を学ぶのか?」というのがございました。「チコちゃんは5歳」「5歳の子供はかわいい」「だから、チコちゃんはかわいい」なんていうのも、数学でございますよ。

ワタクシ、以前、マスクの買い占め騒ぎを数学の「ゲーム理論」で説明したことがございます。誰も買い占めをしなければ、社会全体の利益は最大になる。しかし、各個人が自分の利益を最大にしようと行動すると、多くの人が買いそびれ、社会全体の利益は下がって行く。これも、数学で証明できるお話。

ウィルスを「正しく恐がろう」なんて言う人もいらっしゃいます。人の中に「恐い」という感情が起きるのは、得体が知れないから。闇雲に恐がるのでは無く、「何が恐いのか?」「どうなると恐いのか?」と理詰めで正しく恐がれば、もはやそれは恐怖ではなくなったりする。そういった理詰めで考えるという能力も、数学の力。

人間、論理的に考えられないと、感情に走ることになる。「過去を水に流し未来を見据えた方がお互いに利益は上がる」と論理的には分かっていても、そうならないのが歴史。論理性に水を差すのは、憎しみだったりメンツだったり既得権益だったりとか。マスク買い占めと同じような事が、国と国の間でも起こっていたりする。

しかし、その「論理的に生きられない人間」というところから、ドラマや芸術が生まれることもある。その「こんな風に生きられたらいいな」というモチーフ(動機)が、芸術性や文学性の源であるからでございます。「論理という理想」と「非論理という現実」とのせめぎ合いの中でピクピクしているもの、それが人類なのでございます。

論理的に生きられない地球人は、これまでも、そしてこれからも、紆余曲折な歴史を重ねていくのでしょうね。でも、理想を持たなければ現実を語れない。理想を持つためにも、数学の勉強は必要だということでございます。そう、実生活で絶対に使わないような関数や公式を透かしてみると、その向こう側には、人類の「理想」が見えてくるはずなのですから。では、では。


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