店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
アメリカで、レコードの売上が30年ぶりにCDの売上を上回ったというのが、ニュースになっておりました。これは、レコードの時代が再び来るのか! と早合点してはいけません。音楽の売上の85%はストリーミングという状態ですから、単に、CD派がストリーミングに移行して、結果、レコードの売上が上になってしまったということでしょう。
ニッチと言えども、レコードに根強い人気があるのは確かでございます。昔を懐かしむという懐古的な人気もあるのでしょうが、レコードに初めて接する世代の人達には、「円盤が回って音を出す」という仕組みに、デジタルにはない「実体感」を感じているのでしょうね。
これ、ちょっと前の「不便のススメ」(2020-08-25)というお話を思い出して下さいませ。不便には六つの利益が有るというお話で、その六番目に「タンジブルである」とございます。実際に触れられる、手触りがあるという意味。レコードの根強い人気は、ここにあるのでしょうねぇ。
世の中、何でもデジタルになって便利になってはおりますけど、何もかもブラックボックスの中で処理されてしまう手応えの無さに包まれているうちに、人は、「感触」そして「ギミック(仕掛け)」というものを求め始めているのかもしれませんね。デジタルしか知らない世代なら、なおさら、アナログの感触や仕掛けは新鮮に感じられることでしょう。
ここでね、世界的なこんな流れに乗せて、今、世界のSONYにやって欲しいことがございます。カセットテープ式の「ウォークマン」の再販売です! カセットテープに録音されたものをヘッドで読み取るという昔ながらの仕組みで、ぜひお願いしたい。リールは飾りで中身はデジタルなんていう子供だましは、絶対にダメでございます。
当時に比べると電池やモーターが格段に進化しておりますから、SONYが本気出したら、すごいものが出来ますよ! 古くさい仕組みのものを、最新の技術で作る! あぁ、粋(いき)ですねぇ。まぁ、「あえて不便な物を作る」ということなんで、SONYによほどの遊び心がないと、難しいでしょうね。
昔、ダンスの練習をしていたとき、使っていた音楽プレーヤーはカセットテープでしたねぇ。ダンスの振り付けを覚えるときってのは、「数秒戻す」ってのを頻繁に行うわけでございます。これがねぇ、CDだとやり難い。でも、カセットテープだと、巻き戻しボタンで「キュルキュル」と戻せてしまう。