店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
管理する側の人間ってのは、時として、その構成員なり従業員を「変えたい」と思うときがございます。「この人は、ここが変わると伸びるのに」とか、ついおこがましい野望を抱くのでございます。ただ、既に出来上がっている「いい大人」の人間性が、そう簡単に変わるものではございません。
飛車は飛車なりに歩は歩なりに、つまりその人材のあるがままを上手に使うというのが、近年における管理者の手腕とされております。そして、もしその人材が「変わる」ことが有るとすれば、それは本人の「自覚」のみでございます。管理者は、その自覚へのヒントを指し示すことしか出来ない上に、必ずしも管理者の思惑通りに事が運ぶわけでもないのでございます。
こと、この「人を変える」という事に関しては、ひと昔前の「体育会系」の強制力の有る人間関係の方が有効でございます。よほどストイックな人でない限り、いい大人が「自分を変える」というのには相当な苦痛。外部からの強制力くらいないと、変われないのでございます。まぁ、パワハラだブラックだと叫ばれる昨今、管理者が体育会系の指導が出来るというのは、非常に限られております。
本人の自覚を促すべく、いろいろなヒントをロバの人参よろしく顔の前にぶら下げるのですけど、それをパクッとくわえてくれるかどうかは、その本人に「窓口」が開いているかどうかが重要になってくるのでございます。窓口が開いてないと、馬の耳に念仏状態となる。ヒントを指し示しながらも、この窓口がどのくらい開いているのかを察することが、管理者にとって重要となってまいります。
では、その窓口はどうやって開けるか。それは「信頼関係」でございますね。本人が、「あぁ、この人の言うことに従ってみようかな」と思い始めるにつれ、窓口は少しずつ開いていくのでございます。この窓口が開いているかどうかに気がついていないと、どれほどヒントを指し示しても門前払いを食ってしまう。今の管理者に要求されるのは、その窓口が開くのを待てる「忍耐力」かもしれません。