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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-05-12 【自由は不自由の真意】

コンビニやドラッグストアにはマスクが無いのに、わけ分からない店舗に山積みなっていたりいたします。どうやら、中国の怪しい業者が、これまた怪しいマスクを大量に売り込んでいるようでございます。

コンビニやドラッグストアは、普段の業者との付き合いがあったり、適正価格より高い商品を店舗に並べるわけにいかなかったりとかで、その様な業者は門前払い。行き場を失った大量のマスクが、巷に散乱しているようでございます。


先日、NHKの『ノーナレ「校長は反逆児」』という番組を、ほんと、たまたま見たのでございます。東京都世田谷区にある公立の桜丘中学校を半年間追いかけたドキュメンタリー。その中学校では、校則なし、スマホOK、授業も無理に出なくていいという自由すぎる方針を10年続けて来たそうでございます。

授業中にスマホでゲームをしていても怒られないと言うのですから、正に全校生徒が自由の風! 生徒は校長室に自由に出入りし、お弁当を食べたりしている。この自由さにはいろいろ批判が有ったでしょうねぇ。校長先生談、「○○をしなければいけない、というだけで学校に来られなくなる生徒もいる、そんな生徒を無くしたい」とのこと。

朝ドラ前作の『スカーレット』で、「自由は不自由や!」という名言が登場いたしました。結局、この名言の謎解きは最終話までされませんでした。あ~、意味の深い、いい言葉なんだけどなぁ。ということで、この「自由は不自由や」という語をワタクシが、紐解きましょう!

当店では、出勤予定をかなり早く提出してもらっているのですが、かつて、それに猛反発したコンパニオンがおりました。その子いわく、「毎日、自由に出勤を自分で決めたい」ということなのですよ。「じゃぁ、自由出勤にしましょう」とワタクシ。試しに自由出勤にしてみたのでございます。

その子が出勤したければ、開店時間までにお店に電話を入れる。電話が無ければ、その日はお休み。ただ、それだけのルールでございます。事前予約を受け付けられないという不自由はございますが、その代わり、毎日気ままに出勤できるという自由が有るのでございます。

しばらくこれを続けていましたら、コンパニオンの方が根を上げてきた。「毎日、自分で決めるというのは、意外とツライ」と言ってきたのでございます。で、自由出勤は解消。もとの事前にシフトを提出してもらうという方式に戻すということがございました。

「自由」というのは、いろいろ縛りがある中で少し混じっていると、ありがたいのですよねぇ。「何もかも自由」となると、実は困惑する。そして、苦痛になるのでございます。逆に「ルール通りに行動すればいい」となれば何も考えなくて済む。楽なのです。

何かと選択を迫られることの多い現代社会では、人を縛るルールというのが、むしろその現代人のストレスを少なくする方に働いているという意外でございますね。ここで先ほどの名言ですよ。「自由は不自由や!」。自由にしろと言われると、かえって不自由になってしまう。

この桜丘中学校の生徒も、入学当初は楽しいでしょうねぇ。授業中にゲームをやっていても叱られない。授業に出ることさえ自由。でも、そのうち、「本当にそれでいいのか?」と自分で考え始めると、苦悩が始まる。「自分で考えさせる」「苦悩させる」、実に良い教育ではございませんか。番組内での生き生きとした生徒達の顔が、印象的でございました。

かつて、「ゆとり教育」というものがございました。この「ゆとり」というのは、本当は、こんな形で実現すべきだったのではないでしょうかねぇ。この自由な教育方針って、先生方の方に相当な忍耐力が要求されると思われます。かつてのゆとり教育では、変えるべきだったのはカリキュラムではなく、受け入れる学校側の姿勢だったような気がいたします。

そんな桜丘中学校の校長先生、この春で定年退職されたそうでございます。新しい校長先生が来て、この自由な方針がなくなると、在学中の生徒達がどう感じるのか? それもまた、追跡取材して欲しいところでございますね。では、では。


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