«前の日記(2020-04-25) 最新 次の日記(2020-04-27)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2020-04-26 【あげるのは人間をダメにする】

まず最初に、昨日掲載分の謝りを。後から読み直してはいるのですが、大きな書き間違いに気づかずに発信してしまいました。最初の方で、「絆が無い」とするところを真反対の「絆がある」と書いていたこと、そして、終わりの方で「余談」を「予断」と書いておりました。


さて本題。国民全員に配るという給付金が、紆余曲折、賛否両論、彷徨(さまよ)っております。今日は、この紆余曲折、賛否両論を一刀両断する妙策を、提案するのでございます! はじまり、はじまり~~!

給付金、最初は「必要な人だけに30万円」としてましたが、その内、「全員に一律10万円」と変更されました。まぁこれは想像するに、「選別する」となると膨大な事務作業が介在することになり、全体のコストと時間が大きく膨れあがるのでしょうね。すると「一律」にした方が、最終的なコストも抑えられ早く支給出来るという算段なのでしょう。

ただここで容易に想像できるのは、一律に配ると「必要としていない人」にも配ってしまうという「無駄」が多く発生するということでございます。無駄を排除しようとすると、コストと時間が膨らむ。それを抑えようとすると、今度は大きな無駄が出る。あぁ、ジレンマですねぇ。

そこでワタクシ、提案いたします。給付、つまり「あげる」のではなく、「貸す」のでございます。無担保・無期限で、政府が国民に貸し付けるのでございます。「この緊急時に、鬼か?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。では、この貸すという方策の利点を、どうぞお聞き下さいませ。

一律というのは、本当に必要では無い人にまで多く配られてしまう。この時期、収入が減っていない人も大勢いらっしゃいます。また、10万円が酒やパチンコに使われてしまうということも、まぁまぁございましょう。しかし、「貸す」ということになれば、本当に必要な人、必要な事でしか申し出てこない。配る人数が減れば、1人あたりに貸せる金額も増える。ほ~ら、いいことずくめじゃないですか?

そして、「貸す」という形なら、すぐに給付できる。既に存在する金融のシステムを流用できますから、今すぐお金が必要な人にすぐ手渡すことが出来る。本来なら、マイナンバーで管理された国独自のシステムが存在すればいいのですが、マイナンバーカードの普及率が10%台という現状では、これは後の祭りでございます。

ここでね、こういった物を配るときの日本政府の「立ち位置」が、いろいろコストを膨らませているのですよね。常に「政府が国民に配る」という方向性でしか考えられない。だから何かと時間もコストもかかる。これが大問題。いいですか、これは「国民に取りに来てもらう」とすればいいのでございます。

マスクも、「政府が個別に発送」なんて事してるから、時間とコストがかかる。あぁ、無駄無駄。台湾や韓国の様に、政府が国内中のドラッグストアにマスクを送り、それを国民が取りに行くという方式にすれば、もっと迅速に配れたはずでございます。必要で無い人はわざわざ取りに行かないでしょうから、無駄も最小限に抑えられる。あぁ、いいことづくめ。

しか~し、これが出来ないのは、もう何回も申し上げておりますが、日本ではこういったことをマイナンバーで管理できる仕様になっていないから。政府も批判を恐れず、「マスクや給付金が欲しかったら、マイナンバーカードを作ってから出直してこい!」くらいのことを言って欲しいなぁ。まぁ、大問題になるでしょうけどね。

そしてもうひとつ、「貸す」ことの利点がございます。それは、「あげる」という行為は、人や物をダメにする事が多いからでございます。それを、海外支援やODA(政府開発援助)を例にとって、説明いたしやしょう。

かつての海外支援では、「ただで与えるのが善」と思われている時期がございました。しかし、与えた物が現地で大事に使われないという事態が多く見られる様になったのでございます。これにはいろいろ原因がございます。現地の実状に合致してないものをお仕着せ的に与えてしまったりとか、あるいは所有権がはっきりしないまま故障が修理されずに放置されてしまう等でございます。

これで今では、物によっては「現地の人がちょっと大変な金額」で買ってもらう事も増えたのでございます。ちょっと大変な額で買うくらいだから、現地の人にとっては十分に必要な物。これで、不必要な物を押しつけるという事はなくなりますし、購入の元を取らなくてはいけませんから、それを使って熱心に働くというわけでございます。

また、所有者がはっきりしていて高額を支払っていますから、持ち主は大事に大事に使い、修理を重ね、長年に渡って使おうとしてくれる。「買わせる」という鬼のような所業ですが、むしろこのやり方にした方が、無駄も出ず、現地の人のモチベーションも維持できるのでございます。

いかがでしょう? 人間、「買った」物は大事に使います。しかし、「もらった」物に対してはぞんざいになる。タナボタ収入だったりしたら尚更でしょう。今、日本中の全員に、10万円を「あげる」という行為。本当に必要な人にとってはありがたい給付でしょう。しかし、それ以上に、世の中にダメ人間を増やす結果になりそうで怖い感じもいたします。

今からでも遅くない。批判を恐れず、「一律10万」ではなく、「必要な人だけ、上限300万くらいで無担保・無期限で貸す」という方式に変えて欲しいなぁ。まぁ、無理だと思うけど。コロナが終息後に、日本中にダメ人間が溢れかえっていなければよろしいのですけどね。あぁ、心配、心配。


«前の日記(2020-04-25) 最新 次の日記(2020-04-27)» 編集