店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
その前に、ワタクシ、「仲卸(なかおろし)」という語は知ってましたが、「仲間卸(なかまおろし?)」というのは初耳。大卸(おおおろし)と小売りの間に位置するということらしいので、まぁ仲卸と同じ意味で取ればよろしいのかな。出版で言うと、「取次(とりつぎ)」という書籍の問屋と街の書店との間に入る形になりますね。
なんでAmazonが介入してきたかを申しましょう。本屋さんに並ぶ本というのは、取次の胸先三寸。業績の大きな巨大書店には売れ筋の本が大量に配本され、街の小さな本屋には雀の涙ほどしか配られない。発注しても街の本屋は後回し。そういった、地主と小作のような関係が取次と書店の間には有ったのでございます。
そこで、街の書店が直接Amazonに発注をかけて本を取り寄せるということ。これで、取次の思惑の外で、売れ筋の本を並べる事が出来るのでございます。思えば、取次と書店との従属関係は、日本の出版界の悪しき因襲。Amazonの介入で、出版界のカンフル剤になるのでしょうか?
チョイト心配なのは、Amazonの上に取次が存在しているということ。Amazonも取次から本を仕入れるのでございます。これではやはり、取次の胸先三寸の図式は変わらないのではないかなぁという思いもございます。また、Amazonと取引を始めた書店が、取次から差別されないかなぁという心配もございます。
「取次」の寡占と「再販制度」が、日本の出版界を大きく停滞させております。CDも再販制度の対象ですが、CDはその効力は発売後半年だけ。半年過ぎたら、安売りとかやっても大丈夫なのです。書籍も、そろそろ、期限付きの制度にするか、いっそ再販制度なんて廃止してもいいのじゃないですか?
再販制度が設定された説はいろいろ有るのですけど、この制度が有ると、「売れ筋ではない特異な本も出版しやすい」という利点がございます。終戦直後、日本の軍国主義を改めたかったGHQが、いかにも好みそうな法律でございます。そんな流れで制定されたのかもしれませんね。
再販制度のおかげで、書店は定価販売を強いられますが、そのかわり「返品(返本)」が保障される。売れ残りを心配しなくてもよくなるのでございます。そうして、日本は微細出版社で溢れかえり、かなり特異でマニアックで発行部数少量な書籍も、流通に乗せられるようになっております。