店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
子供の頃、「電話料金」と「切手代」の不条理に悩んだことがございました。電話料金というのは、遠方にかけるほど、料金は高くなっていくもの。一方、切手代は、距離にかかわらず国内均一料金。スイッチを繋ぐだけの電話が従量制で、実際に郵便物を遠方まで運ばなければならない郵便が定額制。子供ながらに、不条理に思えたのでございます。
大人になれば分かるのですが、回線の本数に限度がある通信は、その回線の占有時間で料金を取るのは合理的。遠方ほど多くの回線を占有しますので、料金が高くなるのでございます。郵便物は、距離で料金を変えるには、チェックや仕分けに大変な手間がかかる。そこで、「大きさ」で区別するのが合理的となるわけでございますね。
大手食品メーカー20社が、「即日配送」を取りやめる方針とのことでございます(デジタル版日本経済新聞より)。即日配送するためにはトラックの手配などを「見込み」で発注する必要があるのですが、人手不足の流通業界、流通がパンクする前に対応策を取ったというところでしょう。無駄なトラック手配が減る分、コストダウンにもなるはずでございます。
一方、訳わかんないのが、楽天。¥3,980以上の買い物は「一律送料無料」にする方針とのこと。そもそも、この送料は楽天では無く店子が負担しているはず。店子にも都合があるだろうし、Amazon の「¥2,000以上購入で送料無料」に対抗するにはちょっと意味不明な金額設定。単に「分かりやすくするだけ」が目的だそうでございます。
と。Amazon の「即日配送」と「送料無料」のために、日本の流通がどれほど振り回されていることか! 巨大発注にものを言わせ、日本の流通にワガママ言いたい放題。それで、ヤマト運輸が根を上げて Amazon から撤退したのは有名なお話。
そこで、冒頭のお話でございます。より流通に負担をかけているものほど、料金が高くなるべきなのでございます。すると、即日配送なんてのは、送料が最高額であるべき。しかし、今や、猫も杓子も「送料無料」「即日配送」のオンパレード。送料ダンピング競争の泥沼化でございます。
日本の流通を守るため、送料の最低料金を法律で定めるというのはどうでしょう? 送料無料が当たり前になっているので、それが出来ない弱小業者は競争出来なくなる。結果、Amazon の様な超大手ばかりが有利になる。Amazon なんて特に税金を納めているわけでもない企業に日本の流通を食い物にされるのは、国益にも反するのでございます!