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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-08-09 【慣と熟、似て非なるもの】

本日、プレイルーム内の貴重品ボックスに、お客様の腕時計の忘れ物がございました。気づけず、忘れ物をさせてしまい、申しわけございません。気付くのが遅れ、どのお客様の忘れ物か特定出来ないのですよね。フロントで大事にお預かりしておりますので、心当たりのお客様は連絡下さいませ。

お客様をお送りする際、コンパニオンが責任を持って忘れ物のチェックをするようにとは、各コンパニオンに指導しております。ただ、そうそう忘れ物が発生するわけではございませんので、コンパニオンもついつい「慣(な)れ」が生じ、そして、たま~に、忘れ物をさせてしまうということになるのでございます。まぁ、あまりコンパニオンを責められないのでございます。

たった1回の本番のために、無数の空振りがある

ヘルス嬢に本番をお願いしているわけじゃござんせんよ。「備え」のお話でございます。「備えとは、たった1回の本番のために無数の空振りがある」ということ。その「たった1回」を意識して、無数の空振りの間に緊張感を維持できるということ、それが「備える」ということなのですよね。

しかし、先ほど申しましたように、人間には「慣(な)れ」というものがございます。慣れるとは、自分の中で「目新しいこと」では無くなること。その結果、緊張感は減少いたします。そこに、「慣れ」の落とし穴が有るのでございます。吉田兼好も「過ちは、やすきところになりて、必ずつかまつることに候ふ」申しております(徒然草、高名の木登り)。

同じ「なれ」という音で、「熟(な)れ」という語がございます。「熟練(じゅくれん)」なんて述語が有るように、この語には「巧みになる」という意味がございます。作業のツボとヌキ所が分かってきて動きにメリハリが出てくることは有っても決して緊張感は絶やさない、それが「熟れ」でございます。

この「慣れ」と「熟れ」は似て非なるもの。「慣れ」ってのは、ヘタすると「手抜きしている?」と思われることもございます。緊張感を欠くからですね。一方「熟れ」ってのは、時として「枯れた動き」と言われるのでございます。力が抜けているのに手際が良いからでございます。

忘れ物のお知らせから、難しい話に発展してしまいました。腕時計に心当たりのあるお客様、ご連絡下さいませ。では、では。


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