店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
今日のNHK『プロフェッショナル』は、「おくりびと」つまり納棺師(のうかんし)がテーマでございました。納棺師ですので「ご遺体」を扱います。NHKがどんな形で放送するのか、先週の予告編の段階からちょっと興味を持っておりました。
事故現場や災害現場でのご遺体の場合、日本の報道映像ですと必ずモザイクがかかるものでございます。ただ、今回のこの番組の場合、事故でも災害でもございません。それでもご遺体を映すのかどうかが気になっておりました。結果、「この後にご遺体の映像が映されます」というテロップを出した上で、モザイク無しで放送されておりました。
実際の放送を見れば、一目瞭然。納棺師のご遺体への所作が、なんと神々しいことか。その神々しいシーンにモザイクを入れるというのは、かえって失礼な感じがいたしました。当然、番組スタッフはご遺族からOKをもらっているのでしょうが、そのご遺族が「どうぞ放送して下さい」という気持ちになるのも、理解出来たのでございます。
映画「おくりびと」で有名になった納棺師ですが、それでもいろいろ差別を受けるそうでございます。やはり、死者に直接触れるお仕事だからでしょうか? でもそれは、「死者=穢(けが)れ」という概念があるからですよね。お葬式の後にお塩で清めるなんてのも、その穢れの概念からでございます。
どうして「死者=穢れ」という概念が浸透したのかは、置いときますよ。まぁ、奥深い概念なので、調べるのが面倒くさいということで(笑)。でもね、納棺師の方のご遺体への接し方を見ますと、そこには穢れなど微塵もなく、むしろ厳(おごそ)かで美しくもある。「死者=穢れ」って概念が定着しちゃったのは、残念なことですよね。
余談になりますが、日本では「幽霊」を非常に怖がりますが、「悪魔」はそれほど怖がらない。ところが西洋では、「幽霊」ってのはむしろお友達感覚でして、「悪魔」の方を非常に忌み嫌うのでございます。こんなことも有りますので、穢れの概念ってのも、たまたま生まれた後に刷り込まれた「思い込み」に過ぎないのですけどね。