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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-05-28 【おくりびとはイケメン】

今日のNHK『プロフェッショナル』は、「おくりびと」つまり納棺師(のうかんし)がテーマでございました。納棺師ですので「ご遺体」を扱います。NHKがどんな形で放送するのか、先週の予告編の段階からちょっと興味を持っておりました。

事故現場や災害現場でのご遺体の場合、日本の報道映像ですと必ずモザイクがかかるものでございます。ただ、今回のこの番組の場合、事故でも災害でもございません。それでもご遺体を映すのかどうかが気になっておりました。結果、「この後にご遺体の映像が映されます」というテロップを出した上で、モザイク無しで放送されておりました。

実際の放送を見れば、一目瞭然。納棺師のご遺体への所作が、なんと神々しいことか。その神々しいシーンにモザイクを入れるというのは、かえって失礼な感じがいたしました。当然、番組スタッフはご遺族からOKをもらっているのでしょうが、そのご遺族が「どうぞ放送して下さい」という気持ちになるのも、理解出来たのでございます。

映画「おくりびと」で有名になった納棺師ですが、それでもいろいろ差別を受けるそうでございます。やはり、死者に直接触れるお仕事だからでしょうか? でもそれは、「死者=穢(けが)れ」という概念があるからですよね。お葬式の後にお塩で清めるなんてのも、その穢れの概念からでございます。

どうして「死者=穢れ」という概念が浸透したのかは、置いときますよ。まぁ、奥深い概念なので、調べるのが面倒くさいということで(笑)。でもね、納棺師の方のご遺体への接し方を見ますと、そこには穢れなど微塵もなく、むしろ厳(おごそ)かで美しくもある。「死者=穢れ」って概念が定着しちゃったのは、残念なことですよね。

余談になりますが、日本では「幽霊」を非常に怖がりますが、「悪魔」はそれほど怖がらない。ところが西洋では、「幽霊」ってのはむしろお友達感覚でして、「悪魔」の方を非常に忌み嫌うのでございます。こんなことも有りますので、穢れの概念ってのも、たまたま生まれた後に刷り込まれた「思い込み」に過ぎないのですけどね。

昨今、残忍な事件がポチポチ起きているのが悲しいのでございます。小さな子供の時に、納棺師による神々しい「送り」を体験していたら、大人になってから残忍な犯行に及ぶということも少なくなるのではないかと思いました。最近は、ゲームの中では十分すぎるほどの「死」を体験出来るのですけどね...

ちなみに、ワタクシの母親は病院のベッドで無くなりました。連絡を受けて病院に駆けつけ、母親の顔を確認しましたら、「ご遺族」のワタクシはさっさと病室から追い出されたのでございます(笑)。

ベッドの周りはカーテンが引かれ、女性の方が2人ほどその中へ。バッタバタと急いで何やら処置をしているのが、カーテンの外からでも分かりました。自販機コーナーで30分程待っていたら、ワタクシの母親の納棺完了。まぁ、そんな「送り」もございます。


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