«前の日記(2019-04-18) 最新 次の日記(2019-04-20)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2019-04-19 【ギブ&テイク】

ワタクシ、コンパニオンの「不機嫌アピール」という行為に対して、しばしば注意を与えております。この不機嫌アピールというもの、いつのまにか「癖」にしてしまってますと、人気商売ではいろいろ苦労することになるのでございます。

当店の様な商売でこの不機嫌アピールが一番出やすいのは、一日の終わりでございますね。その日、あまり稼げなかったりすると、不機嫌なオーラをガシガシ出しながら帰っていったりする。多分、本当に不機嫌では無いはず。そういった空気を出さないと体裁が保てないのでしょうね。そして、それが癖になっているということでしょう。

ワタクシね、この不機嫌アピールというもの、「手首を切らない自傷行為」と思っております。自傷行為って、「私の今の辛さに気付いて!」という認証欲求の表れであって、本気で傷つけてるわけじゃない。不機嫌アピールも同様に、自分の認証欲求を満たすために「不機嫌」という表現を取っているだけなのでございます。

まぁ、こういった不機嫌アピールは街中に溢れかえっているわけでございますが、これを癖にしてたりいたしますと、人気商売では思わぬ苦戦を強いられたりするのでございます。そのカラクリを、紐解いていきましょう。

認証欲求というのは、「○○してほしい」という、ギブ&テイクでいうところの「テイク」の所作でございます。「これだけの事をしておけば、お客様は自分の事を認めてくれるだろう、認めて欲しい」というところでサービスを提供している。つまり、「もらう」ということが念頭の第一に置かれているのでございます。

ですけど、実はサービス業の根本は、「ギブ」なのでございます。そう、与える事。それも、「無償の愛」。いや、お金もらっているから決して「無償」ではないのですけど、精神的には無償の愛。その「まごころ」に惹かれて、人気を博して行くのでございます。

コンパニオンがお客様に対して「テイク」で接しているか? それとも「ギブ」で接しているか? その神髄を本能で最初から心得ている人もおります。また、「多分、一生気がつかないだろうな」と思える人もいれば、ある時突然気がつき「化ける(急に人気が出ること)」人もおります。

この「ギブ」と「テイク」に関しては、音楽や演劇でも似たようなことが有りましてね、自分が先に感動したり泣いたりしてしまうと、その感動や哀しみがお客に伝わらなくなったりなんてのをよく経験しております。そんな時、いつの間にか「テイク」の感覚に陥っているのでしょうね。むしろ、ギブもテイクも無い「無心」の時に、良い結果を得られたりするものでございます。

そうそう、西野カナさんの「トリセツ」という曲に、「(女性は)急に不機嫌になる事が有ります。理由を聞いても答えないくせに放っとくと怒ります。」という歌詞がございます。女性が「テイク」で行動し、その女性に惚れた男性が「ギブ」で追いかけるというよく有る図式。どうやら、女性というのは、不機嫌アピールを本能的に会得している人達なのかも知れませんね。では、では。


«前の日記(2019-04-18) 最新 次の日記(2019-04-20)» 編集