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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-03-11 【演技=罪悪感になっちゃうと、苦戦する】

新人さんが入って来ますと、適当な時期に、「キャラを作りなさい」と指導いたします。ただ、これがね、最近は苦戦することが多いのでございます。

「キャラ」と言うと聞こえはいいですが、要するに「演技しろ」ということでございます。お客様に対して演技とは、これまた聞き捨てならないと感じられる方もいらっしゃるでしょうね。まぁ、お茶でも飲みながら、落ちついて読んで下さいませ。

電話をするとき、日本で生活する女性のほとんどが、無意識に声を高くしているそうでございます。これは、小さく可愛らしい印象を相手に与えようとする意識が働いているからとか。ワタクシの母親も、やってましたねぇ、電話の時だけ。

ワタクシが言っている「演技」とは、この程度のこと。まずは、一番変えるのが容易な声からキャラ作りをするのが、定石でございます。声を変え、それに伴って、仕草とかも変わって行く。まぁ、その変化の根底には「可愛らしく見せたいという意識」が重要なのですけどね。

さて、冒頭で「苦戦する」と申し上げましたけど、この「キャラを作る」とか「演技」ということが、なかなか理解出来ない人が増えているのでございます。「自分のキャラなんて変えられるわけない」と思い込んでいるのでしょうねぇ。

そもそも人というものは、成長過程で様々な「顔」を持つようになるのでございます。親に対する顔、友人に対する顔、先輩(上司)に対する顔、後輩(部下)に対する顔。これはね、その時その時の状況で小さな演技をしているのに他ならないのでございます。

だから、人ってのはみんな、いろんな顔を持ちながら生活しているのですが、この「顔の使い分け」を面倒くさいと考える人が増えているのでございます。また不運なことに、最近はこの顔の使い分けが出来なくても、何とか生活できてしまう。礼儀作法とか言葉遣いとか、そういったものに対して寛容になって来ているからでございます。

要するに、素のままでずっと生きてきたので、いざ「変えろ」と言われても、変え方がわからない、変わる物だという認識がない、といったところで途方に暮れる。そして、「同じ事をやっているのに、どうして自分は...」と袋小路に入っていくのでございます。

まぁ、その取っかかりとして、「声」を変えさせております。先ほど申したように、声というのは人間の体の中で、一番簡単に変えられる部分でございます。その後、動き方や手の使い方など、ポツリポツリとアドバイスしております。感覚で分からなければ、形から入るというスタンスでございますね。

世の中全体が、「対人を面倒くさがる」傾向に傾いているのを、ヒシヒシと感じております。まぁ、人と人とがネットでつながる時代が進んだら、そんな「対人」なんてのは死語になる日が来るのかも知れませんね。その過渡期の今に生きる若い人たちは、ひょっとしたら、貧乏くじを引いた世代なのかななんて、ふと思ったりもいたしました。では、では。


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