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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-10-01 【純血にこだわり過ぎるんだよなぁ】

先日の中日新聞の日曜版のテーマが、「国籍」でございました。また、ニューズウィークのサイトで、パックンことパトリック・ハーランさんがやはり「国籍」をテーマにコラムを載せております。

日本は大坂なおみの二重国籍を認めるべき!
(パトリック・ハーラン)
https://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2018/09/post-40.php

期せずして同じ話題が重なったというのも、大坂なおみ選手の国籍選択が注目されているからでしょうねぇ。

中日新聞の日曜版の画像を見ていただくと、緑色の国は「重国籍に寛容」な国でございます。他の国の国籍を取得しても、それまでの国籍を持ち続けられるということ。そして、日本を含め灰色の国は「重国籍に不寛容」な国。他の国籍を取得すると、自動的に今までの国籍を失うということでございます。

血統主義の日本が二重国籍に厳しいのは知っておりましたが、世界的に先進国のほとんどが出生地主義で二重国籍に肝要なのは驚いたのでございます。また、これらの記事で知ったのですが、二重国籍に厳しい日本とは言え、それをチェックするシステムが無いために、今や二重国籍の禁止なんて完全に形骸化しているとのこと。

そういや、蓮舫さんが指摘されて慌てて処理してましたよねぇ。自分が二重国籍になっていることを、本人も忘れている、あるいは知らない、ということも多いらしいのでございます。ずっと日本に住んでて、日本の行政サービスを受けてたら、そりゃ忘れちゃいますよね。そんな人が国内に数十万人もいるそうでございます。

パックンの記事を読みますと、大坂なおみ選手が日本国籍を選択するのってあまりにも損。合理的に考えたらアメリカ国籍を選択しそうな感じではございますが、あとは大坂選手の感情しだいでございますね。ライバルの少なさで日本を選ぶということも有るでしょうしね。

日本が頑なに血統主義を貫くのは、ワタクシが度々言及している「ムラ的共同体」意識が根源でしょうねぇ。でもこのせいで、多くのすばらしい頭脳や天才が海外に流れて行っちゃってるのも事実。日本って国は、いいかげん、この「みんなで同じ価値観を共有しましょう」って感覚から脱皮しないと、本当のガラパゴス国になっちゃいますよ、ほんと。

日本の家電メーカなどが衰退しているのも、この「ムラ的共同体」のため。日本の企業は「設計・デザイン」から「製造工場」「販売」まで、全部自社の中で完結している「垂直統合型」という構造を変えられない。このために、小回りの利いた立ち回りが出来ず、世界の速い流れについて行けなくなってる。

世界的に主流になりつつあるのが、「水平分業型」という構造。メーカーはアイデアを出すだけ。設計とか製造とか販売とかは、それぞれを専門とする別の企業が受け持つというやり方。アップルが代表例。次々と奇抜な新製品を求められる現代では、小回りの利くこの構造の方が有利になりつつあるのでございます。

ムラ的共同体の反対は、「ネオ共同体」と呼ばれるもの。「いろんな人がいていいじゃん」「いろんな考え方があっていいじゃん」「人は人、自分は自分」といった考え方。日本は、このネオ共同体の考え方を小学校くらいからカリキュラムに取り入れて、子供達から意識改革を進めて行くべき。大人の価値観は、そう簡単に変わりませんからね。まず子供から変えていくのでございます。

でも、日本人の血統主義、根深いからなぁ。心配だなぁ。では、では。


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