店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
一部、新人が入ったとかどうとかというアナウンスをいたしましたが、出勤初日で早々と退店ということになり、幻の新人になってしまいました。まぁ、このお仕事、向いてる・向いてないってのが大きく影響いたしまして、新人さん当人にしてみれば「やる気満々で初めて見たけれど、思ったよりハードルが高かった」といったところでしょう。
面接のときに、「あぁ、この人はかなり苦戦するだろうな」と思ったりするのですが、「根気よく指導していれば化けるかもしれない」とも思うわけでございます。そうやって入店していただいて、みごと化けて大成功という人も有れば、今回の様に早々と消えてしまう人も有るわけですね。
結婚式のスピーチで「3つの袋」なんて話をいたしますが、このお仕事にも「3つの力」というものがございます。「技術力」「演技力」「想像力」でございます。簡単に考えて入店して来た新人さんなどは、まず、この3つの力の壁を思い知る訳なのでございます。
風俗のお仕事ってのは、すべてが技術の固まり。エッチの技術はもとより、お化粧の技術、時間配分の技術、お客様の体を拭いてあげる技術、自分が速やかにシャワーを終える技術、等、等...ありとあらゆる面で技術のせめぎ合いのある「技術職」なのでございます。ノンビリ構えていた新人さんなどは、この技術競争でまず圧倒されちゃうのでございます。
演技力ってのは、接客業全般の「客あしらい」という意味の演技もございますが、このお話の場合の演技は「女っぽい立ち居振る舞い」をする技術のこと。女装の経験のほとんどなかった新人さんなどは、この演技力の壁で苦労することになるのでございます。「男っぽくてもいい」と言われるお客様は少数いらっしゃいますが、広い客層から広く選ばれるためには、女っぽい演技力は必須なのでございます。
想像力ってのは、お客様の心を読む力。まぁこれは、接客業全般で必要な力でございますよね。先読みして行動できれば、「あぁ気の利く子だな」「あぁ相性が良いな」と好印象を得られるわけでございます。これはねぇ、本人の性格もかなり影響する。出来る人は自然に出来ちゃうし、出来ない人は一生出来なかったりする。接客の”センス”が問われる力でございます。
この3つの力、必ずしも全部が必要というわけではない。どれかひとつが突出していると、他が気にならなくなるという場合もございます。「不可を補って余りある可」というヤツですね。でも、この「補って余りある幻想」に囚われすぎると、欠点放置のスパイラルの闇に落ちていくことになったりする。結局、「地道」というのが一番の近道だったりするのでございます。