店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
今日は、朝、ハサミを使ってまして、左手の人差し指の付け根を、サクッとやっちゃったのでございます。ジワジワジワ~と、実に地味な出血。ゆっくりな出血ではありますが、貼ったバンドエイドがすぐに真っ赤に染まってしまう。出血が治まるまで、何度もバンドエイドを張り替えておりました。
出血が止まった頃、バンドエイドを剥がしながらソロリと傷口を見てみますと、まぁ綺麗なV字型の切口。このV字型を見て、ある懐かしい思い出、すっかり忘れ去られていた思い出が、ワタクシのサラダボールの様な記憶壺から浮き上がってきたのでございます。
ワタクシ、3才のとき、腎臓病で10ヶ月ほど入院しておりました。病室で退屈しないようにと、母親がオモチャや絵本を買って来るわけでございますね。折り紙なんてのもありまして、ワタクシ、その折り紙を切りたいからと、ハサミをおねだりしたわけでございます。
「ナントカに刃物」とか言いますが、3歳児にハサミ。まぁ、普通ならそのハサミで怪我をしたのだろうなと想像がつきますよね。しかし、ワタクシ、3歳のころからぶっ飛んでおります。折り紙切りに飽きたワタクシ、ふと下を見ると、そこには純白のシーツが...
やや固めのベッドにパッツンパツンに張られたシーツには、ワタクシの幼い体重でわずかにシワが寄っております。その白の眩しさと張りの強さを見て、ワタクシ、「この完全無欠な純白に、切り込みを入れたい」と思うわけでございます。まぁ、3歳から、ワタクシ、狂気でございましたね(笑)。
左手でそのシーツをつまみ上げ、ハサミをチョキンと入れる。左手を離すと、シーツがパンッとベッドに貼りつき戻る。その時、3歳のワタクシが何に驚愕したか想像できますか! シーツに入った切り込みが、”なぜか”V字型になっていること、それに驚愕したのでございます。
まぁ、斜めの切り込みが広げた時にV字型になるのは、大人の感覚でしたら当たり前でございますよね。でも、その時のワタクシには、とにかく不思議で、新鮮な驚きだったのでございます。そして、シーツが交換されてV字型が消えると、ワタクシ、「またシーツで検証したい」という衝動に駆られ、チョッキンとやるわけでございます。
病院は、たまったもんじゃございません。切り込みの入ったシーツが、定期的に発見されるわけでございますから。犯人捜しが行われたか、あるいは有力のタレコミが有ったのでしょうねぇ。ある日、病院の職員さんがワタクシのベッドに駆けつけまして、ワタクシと母親、こっぴどく叱られることになったのでございます。