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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-05-21 【ビビンバも、ワタクシはほとんど混ぜません】

松屋には「ご当地メニュー」がございまして、名古屋では「きしめん」がメニューに入っているのでございます。今日も、たまたま松屋に立ち寄りましたら、何やら見慣れないポスターが! 「冷やし肉玉きしめん食べるラー油つき」 こりゃぁ、据え膳食わぬはオカマの恥! いや、使い方違うかな? 取りあえず、入店! でございます。

冷やしきしめんに、牛皿の具と温泉卵、キムチを乗せて、食べるラー油を振り掛けたという感じ。ポスターには「よく混ぜてお召し上がり下さい」とあるが、ワタクシ、あえてこれを無視。ほとんど混ぜずに、実食! なのでございます。

いやぁ、混ぜた方が良かったかな、チョイト反省でございます。松屋には時々、こういった「全部乗せ」的なメニューが登場いたします。味の濃いもの薄いもの、柔らかいもの堅いもの、そういったものが統一感なしに盛られていることが多い。そのカオス感を受け入れる覚悟を持った者こそ、この全部乗せメニューを踏破できるのでございます。

ちょっと迂闊だったのは、食べるラー油が思いの外カリカリ感が強かったこと。口の中で、思いっきり主張する。しかも、きざみニンニクが使われている模様。その香りがさらに主張を強くする。若干粗めのカリカリ感が、ツルンとしたきしめんの肌と、相性が悪いのでございます。

カオス感の強い物を食べていると、やはりシンプルなものも口に入れたくなるのでございます。ライス単品、あるいは牛めしミニを追加したいところではございますが、そう、松屋のメニューには、あの揺るぎない伝統があるのでございます。みそ汁が付いてくるという伝統が。

汁物を注文して、ちょっとご飯系が食べたいなと思って追加すると、みそ汁が付いてきてしまう。汁物が重なるのでございます。この問題はしばしば起きまして、ワタクシも以前から指摘しております。しかし、これを「非合理」と叫ぶのはヤボ。この汁物地獄を受け入れてこその、松屋メニューなのでございます。

さて、松屋では、最近、もうひとつの発見があったのでございます。朝定食に「玉子かけご飯定食」が追加! これは嬉しい。そもそもワタクシが「定番朝定食」を好んで注文しているのは、生玉子が付いている最もシンプルなメニューだったからでございます。そして今、その定番朝定食から板海苔とお新香を省いた、玉子かけご飯に特化したメニューが生まれたのでございます。

玉子かけご飯も、ワタクシはあまり混ぜません。玉子と醤油を投入した後は、軽くサワサワサワと箸を入れるだけ。混ざりきって全体が同じになるデジタル的な味わいよりは、ご飯と玉子と醤油が折り重なり連続的に変化するアナログ的な味わい、そちらの方を好むのでございます。

玉子も、白身と黄身を分けて、別々に投入。これで丼内の要素はさらに一つ増えることになり、折り重なりのレイヤーはさらに複雑になるのでございます。箸を進める度、口に運ぶ度ごとに、味わいが連続的に変わっていく。この変化こそが、玉子かけご飯の醍醐味なのでございます。

ただ、最初の攪拌を控えめにしておりますので、丼の下層に至ると、どうしても素の白米が顔を出してくる。しかし、ワタクシの様な猛者はここで怯んだりいたしません。この素の白米をやっつける秘策が有るのでございます。

玉子かけご飯定食を選択した際の「選べる小鉢」の選択、これが秘策でございます。ここで「冷や奴以外」を選択しておくのがキモ。ワタクシのオススメは「とろろ」ですが、まぁ、納豆でも牛皿でもどうぞ。最後の素の白米にかけて、とろろご飯、納豆がけご飯、あるいはミニミニ牛めしとして味わうのでございます。

丼内に拡がる小宇宙、黄身や白身といった銀河が折り重なり、醤油というブラックホールが数々の銀河に絡みつく。そのブラックホールを抜けた先には、とろろや納豆が織りなす新時空が私を包み込む。丼、それは人類に残された最後のフロンティア。丼内の小宇宙に、みなさま方もワープして下さいませ。では、では。


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