店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
下町ボブスレーが物議を醸しております。下町の工場の方々は真摯に取り組んで下さったわけで、職人さんには何の罪もございません。罪が有るとすれば、この下町ボブスレーというプロジェクトを、安易な考えで国外のチームと交渉した人達に有るのではないでしょうか。
まず、ボタンのかけ違いが起きたのは、「下町ボブスレーを平昌オリンピックでは使用しない」と日本チームが決定したことに始まるのでございます。これが、2015年の年末のお話。オリンピック開催の2年も前に、このプロジェクトは日本チームから三行半(みくだりはん)を突きつけられているのでございます。
ここでプロジェクト側は、新しいチームを探すわけでございますね。で、白羽の矢が立ったのが、ジャマイカ。『クールランニング』という映画でも有名なチームでございます。ただ、この時に、日本側のプロジェクトは、日本チームからの三行半の反省から、ドタキャンした際の違約金を盛り込んだ契約を、ジャマイカのチームと交わすわけでございます。
ここで、ワタクシは日本側のプロジェクトに猛省を促すのでございます。まず、成績不振のジャマイカチームを、日本のプロジェクトは見下してたよね。「この低迷貧乏チームなら、無償という餌をぶら下げれば食いついてくるかも」、そう思ったのでは? そんな見下した考えをする前に、「どうして日本チームが採用しなかったか?」を考えるべきでございます。
そもそも、ボブスレーのソリってのは、フェラーリ、マクラーレン、BMWといったメーカーも参加してる。何十年もレーシングマシンを研究してきたメーカーと戦おうっていうのだから、そりゃ最初から、日本のプロジェクトは、風車に挑むドンキホーテみたいなものでございます。まぁ、それを日本側も分かっているからこそ、弱小チームに目星を付けたというのでしょうが、どうにもこうにも、ケチ臭い、あぁ嫌だ、嫌だ。
そして、ふたつ目のボタンのかけ違いが起きるのでございます。昨年、2017年の年末のボブスレーのワールドカップにおいて、そりが会場に届かないというアクシデントが起きるのでございます。この時、ジャマイカチームはラトビアのメーカーのソリを急きょ「借りて」参戦。その借り物で、好成績を上げてしまうという事態が起きるのでございます。
ここから、ジャマイカチームの下町ボブスレーに対する「不信感」は急激に増していったのではないでしょうかねぇ。そして、今回の平昌オリンピックでは、ジャマイカチームは下町ボブスレーを使用しないと正式に決めちゃったわけでございます。
ひとつの可能性として、昨年末のワールドカップの時点で、ジャマイカチームは既に決めていたのではないでしょうかねぇ。急に借りるって言っても、そう都合良くソリが余っているとも思えない。既にラトビアのメーカーのソリは用意されていて、後は、下町ボブスレーが使えないという「口実」さえ有ればいい。届かなかったのは、アクシデントでは無かったのかも知れないのでございます。
さて、下町ボブスレー側は、ジャマイカチームにドタキャンされて、怒り心頭に発するという状態。損害賠償を請求する勢いでございます。ここでワタクシが気になるのは、昨年のワールドカップでそりが間に合わなかった時、それに対する日本側の賠償が、全く記事となっていないことでございます。
日本側プロジェクト、「ラトビアのメーカーので出られたのだから、結果オーライじゃん」と軽く考えているのでしょうか。賠償が無かったということは、ジャマイカチームとの契約条項の中に、日本のプロジェクト側が契約不履行をした時の条項が、入っていなかった可能性がございます。「問題が起きた時は、双方の信頼関係で協議」とかいう日本式の条項が入っていた可能性もございます。
そしてさらに問題を悪化させたのは、下町ボブスレーがオリンピックのレギュレーション(規定)を満たしていなかったということ。タイムが出ない。そして、例え予選を通過しても、レギュレーション違反で失格になる可能性が高い。納期は守れない、不良品を送りつけ、無償提供のくせに返品されたら賠償を請求する。もうね、ひと昔前の中国や韓国のやり口のようでございます。あぁ、恥ずかしい、恥ずかしい。
ちょっと長くなりますが、もう少しお付き合いを。昨年のワールドカップの時点で、プロジェクト側は、「ジャマイカチームが裏切る」と思わなかったのでしょうか? ラトビア性のソリとの性能差を考えれば、当然、予想するべきことでございます。「日本とジャマイカには、強い”絆”が有るから!」なんて、甘っちょろいことを思っていたのではないでしょうか。甘~~~~~~いッ。
ワタクシ、まったく勝ち目は無いと、断言いたします。まず、契約に、日本側が契約不履行をした場合の規定が書いてない可能性が高い。これは、日本側に不利な条項をわざと乗せなかったと判断され、最初から不平等な契約だったと判断されるのは必至でございます。裁判所が日本以外だったら、間違いないでしょうね。
細かいところまで契約で詰めておかないという、日本式の契約だったのでしょう。それが、裏目に出ることになりそうです。日本チームとはなぁなぁで収まっても、国際間のビジネスとなると、そうは行かないのでございます。