店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
あの三角折り、次の人へのマナーとか、いやホテルの掃除完了の印だとか、あるいは消防士が速く用を足すためだとか、まぁ、いろいろな説が錯綜(さくそう)しております。その起源は、どうでもいいのです。ワタクシが気になるのは、あの三角折りは不衛生だからウンヌンという意見があることでございます。
一部の病院のトイレに、「トイレットペーパーの三角折りは、感染症を広めてしまう恐れがあるので、やらないで下さい」という張り紙があるそうでございます。確かに、三角で折られていれば、間違いなく前の使用者がそこを触ったということでございます。しかも用を足した後の手で。
これは、一理あるような気がする。気がするが、木を見て森を見ずでございます。用を足した後に触るのは、トイレットペーパーだけ? ほら、分かってきたでしょ。ペーパー以外にも、ドアノブや便座やなど、いろんなところに触ってるはず。感染の危険があるというのなら、そんなところも全部危険でございます。
感染症ウンヌンを言い始めたら、トイレに入るとき、まずドアノブを触れない。外側のドアノブも、用を足した後の手で触れられている可能性は十分にございます。手術前の外科医の様に、両手を上にかざして何も触れないようにトイレに入ることになるのでございます。
あと、盲点は、温水便座の「ボタン」。あれ、一番危険でしょう。トイレットペーパーなんかより、はるかに危険でしょう。確かに、あのボタンを押すのはお尻を拭く前でございます。しかし、ドアノブなどの汚染を考慮すると、あのボタンを押す時点で、すでに指先が汚染されている可能性は十分にございます。
よくね、「トイレットペーパーの三角部分、他人が触った部分なんて気持ち悪くて使えない」という意見を聞いたりいたします。他人が触った部分が触れないのなら、ドアノブも触れないし温水便座のボタンも押せない。まぁ、中には極端な潔癖症の人もいるでしょうが、三角折りを不潔扱いする人のほとんどは、ドアノブやボタンの矛盾に気がついておりません。
さて、さらに重要なポイントが。この様に、トイレには汚染度が高そうな部分が至るところにございます。にも関わらず、よほど感染力の高い伝染病でない限り、トイレで感染症にかかるという経験をした人は、非常に少ないのではないでしょうか。
もしトイレがそんな危険なところであったなら、普段から人々がどんどんトイレで感染症をうつされているはずでございますよね。というか、トイレと同じくらいに”汚染”されている場所なんて、日常生活にゴロゴロ存在しているわけで、トイレ程度の汚染度で感染していたら、日常生活が出来ないのでございます。
これはひとつに、人間の高い免疫能力があるから。トイレだけでなく、人間の日常生活は、ありとあらゆる病原菌やウイルス、カビの胞子などに囲まれて生きております。それでも人類が滅亡しないのは、人間に高い免疫システムが備わっているからでございます。
そしてもうひとつ重要なのは、普通、トイレの後に手を洗うという習慣があること。病原菌は、指先に付いたくらいでは、発症いたしません(大門未知子かよ、笑)。指先に付けたままで、その指を口元に持っていったり目を擦ったり、ということで感染するのでございます。
ですので、仮にトイレの個室内でいろいろ細菌が手に付いたとしてもですよ、直後に手を洗えば、感染のリスクは極端に減るのでございます。これは、風邪の予防と同じ原理でございますね。風邪も、指先の汚染を口や目の粘膜に触れさせてしまうことで、感染することが多いのでございます。
と、視点を大きく大きく広げていくことが重要なのでございます。