店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
自分がどんな顔をしているかって、あまり自分では気がついていないものでございます。そこで、ワタクシは、「今日、私はどんな顔?」「今、どんな顔、してるかな?」と、日に何回も鏡を覗き込んだりいたします。するとですねぇ、思いも寄らぬ自分の顔に遭遇したりするのでございます。
「思いも寄らぬ」ということは、まったく自覚が無いということ。自分的には全く普段通りなのに、鏡の中では、目がつり上がったワタクシがいたり、口角が下がったワタクシがいたりいたします。気づいていないけれど、何かしらの体や心の変化が、顔に微妙に現れているのかもしれません。
顔というもの、何も考えず、どこにも力が入っていない状態の顔は、非常に重要でございます。これを仮に、「顔のデフォルト状態」と申しましょうか。無意識に出してしまう表情ですので、このデフォルト状態が、その人の「見かけ上のキャラクター」を決めてしまうのでございます。
見かけ上というのが、くせもの。例えば、デフォルト状態がちょっと目がつり上がった顔ですと、本人は全然怒っていないのに、回りの人は「え? あの人、起こってる?」という印象を回りに与えてしまうのでございます。
逆に、何も可笑しいことを考えていないのに、デフォルトで笑みを湛(たた)えている人とか、あるいは、デフォルトで困っている人、デフォルトで間が抜けている人とか...デフォルト状態とその人のキャラクターと一致している場合もあれば、無意識のうちに違うキャラクターを回りに発散している場合もございます。
ワタクシは若い頃、デフォルトが「ポカ~ン」だったみたいでございます。授業中に何度も「大丈夫、理解してる?」と聞かれたり、人から何かを頼まれた後に「もう一回言おうか?」と聞かれたりが多かった。無意識のうちに、ポカ~ンとした顔になっていたのでございましょう。
今だからこそ、言える! 当時のワタクシを分析してみましょう。ワタクシは何かしらの新しい言葉が入ってきたときに、「自分劇場」の白昼夢に突入していたのでございます。新しい知識を反芻していたのでございましょう。何かを頼まれたときは、それを忘れないようにするためのキーワードを、頭の中で練っていたりしていたのでしょう。
ちょいと話がズレましたね。元に戻しましょう。顔のデフォルト状態というのは、無意識の内に、得をしたり、損をしたりする。無意識なので、本人にはその理由が分からない。ですので、非常にやっかいなのでございます。
そして、冒頭でも申しましたように、これが、毎日コロコロと変わる。微妙に変わる。でも、注意深く見ていないと、多分、見落とす。それくらい微妙な差。この微妙な変化を鏡の中から読み取って、自分へフィードバックしたりもいたします。
どうでしょう? こんな事を考えると、鏡を覗き込むのも楽しくなってきませんか? そして、日々の軽いトラブルなどでも、ちょいと鏡を覗き込んで「今、どんな顔してる」と自分に問いかけるのも、よろしいのでございます。