店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
もう花粉症の季節は過ぎたと思うのですが、朝から鼻水が出っぱなし。何度も鼻をかんでいたら、鼻血が出る始末。鼻をかむ勢いで鼻血が出ますと、ちょいと鼻の周りが大変、いや、鼻の周りだけじゃなく、手とかも大騒ぎ(笑)。あまり他人に目撃されたくない瞬間でございます。
歌を歌うとき、多分、音楽の先生なんかは「鼻に共鳴させて歌いなさい」と言うはずでございます。頭蓋骨に共鳴させて歌うのが、古典的な発声法。クラシック的な音楽教育を受けた人は、まずこう言うはずでございます。
一方、ワタクシがミュージカルの勉強を始めたとき、鼻に抜かない発声法を教わったのでございます。鼻に共鳴させた透明感のある澄んだ歌声とは対称的に、鼻に抜かない声というのは、地声っぽいゴツゴツした荒い声になるのでございます。
ニューハーフやオネェの声、女声を模しているわけだから高い声を出しているかと思いきや、それほど高くしているわけではございません。男声と女声の差は、ほぼ1オクターブ。本物の女声の音域で話そうとすると裏声(ファルセット)になってしまい、違和感が強くなってしまう。あまり、営業的な声ではないのでございます。
それで、無理に声を「高く」するのではなく、鼻に抜いた「柔らかい声」を目指した方が、営業的には有利なのでございます。テレビなどに出られているオネェの方々が、低い声なのに柔らかく聞こえるのは、そういう発声をしているからでございます。
そしてさらに、「台詞(せりふ)」には、ある興味深い現象がございます。(その人にとって)低い声(音域)を使った方が、説得力は高くなるのでございます。逆に言いますと、高い声を使うほど、嘘っぽく響いてしまう。役者さんが嘘っぽい台詞を話すとき、わざと声を上ずらせますよね。あれは、この理論を利用しているのでございます。
ここで、大問題、発声、いや発生! ニューハーフのお仕事は、出来ればちょっと高めの可愛らしい声を使いたい。ところが、高めの声を出すほどに、説得力は弱まっていく。ここで、耳当たりを取るか、内容で勝負するかの選択を迫られるわけでございます。