店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
ヤマト運輸が、とうとう値上げに踏み切った様でございます。さらに、採算が合ってない大口取引先は、問答無用で取引停止にしているとのこと。ちょっと横暴なようにも見えますが、宅配業界トップの勇断に、同業他社も流れにのるかもですよね。
これは、宅配業界が「買手市場」から「売手市場」に変わった瞬間かもしれません。今まで、宅配業界は競争が激しかったのでございます。どの会社も料金を下げたりサービスを良くして顧客獲得に努めてまいりました。その結果、日本の宅配業界は世界でも希な過剰サービス業種となっているのでございます。
さらに、規模の大きい通販会社と契約を結ぶことが宅配各社の利益に結びついておりましたが、ここに来て、それがネックになってきております。扱い量の膨大さを理由に格安料金で大口契約を結んでも、再配達のコストなどがかさむと結果としては利益が出ないところもある。顧客に対して「お願い」しか出来ない宅配業界側が、一方的に逼迫(ひっぱく)してきたのでございましょう。
で、今回の値上げ、そして採算の合わない取引の切り捨て。これは、宅配業者側が「お客を選ぶ」時代に入ったということでございます。まぁ、お客を選ぶと聞くと横柄にも感じられますが、宅配業界は、そこまで追い詰められているのでございましょう。トップが動いたことで、同業の他社も追随してくるでしょう。
世の中、「送料無料が当たり前、送料を取るような店からは買わない」なんて風潮がございますが、これ、危険ですよ。ほんと、危険。送料は、必ず取った方がいい。もちろん、少量なら割高、高額注文なら割安という優遇措置は必要。郵便の料金が法律で決まっているように、宅配の金額も、ある程度、法律で縛った方がいいと思うのでございます。
「送料無料」というのは強力な集客能力がありますから、店舗は使いたいですよねぇ。でも、そのコストは、どこかにシワ寄せが来るはず。シワは歪みを引き起こし、歪みというのはその限界が来たときに全体が崩壊いたします。崩壊の危機を迫られての、今回のヤマトの勇断なのでございましょう。
時間指定とか、よくよく考えれば、ムチャクチャ便利なサービス。これは今よりもっと追加料金を取っていい。当日配送なんて、これはさらに追加料金を取ってもいいほどの便利なサービス。決して、こういった過剰サービスを「当たり前」にしてはいけないのでございます。