店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
他のドラマやバラエティ番組などでは、実に若々しい魅力的な女優さんでございます。ところがですねぇ、ここ半年間放送されておりました朝ドラでは、中盤から後半にかけて、老け役ばかり。20歳の女優さんが老境の婦人を演じるとか、罰ゲームのような脚本でございました。
さらに、輪を掛けたのは、他の登場人物もみな若いこと。主要人物のほぼ全てを、20代前半の人達が演じている。さすがにこれだけの人数が無理な老け役を演じていると、見ていても気になってしょうがないのでございます。
高校演劇とか、大学のサークルとか、そういった環境の演劇でございますと、年輩の俳優さんを参加させるというのが難しい。当然、若い人が、老けメイク、老け演技で対処するのでございますが、これが、なかなかに難しい。見ている方も、商業演劇のようなハイレベルを学生さんには求めておりませんので、そこは生暖かい目で見守るということになるのでございます。
今回の朝ドラ、こんな学生さんの演劇サークルのような”むず痒さ”がございましたねぇ。特に、中盤から後半。プロの演出さんや脚本家さんも、制作していて同様のむず痒さが有ったのではないでしょうかねぇ。ただ、朝ドラってのは、撮影スケジュールが超過密って聞いておりますから、どこかで妥協が生まれるのかもしれません。
タカラヅカも同様のむず痒さはございます。もとより、タカラヅカの場合は女性が男性を演じるというむず痒さを呈しております。けれど、こちらは長い歴史の中で、そのむず痒さを「様式美」にまで昇華させております。ワタクシは、個人的にはタカラヅカをむず痒いと思ってしまいますけど、あれが「いい」と感じられる方も多いのですよね。
逆に、この年齢の壁を難なく克服している映画もございます。ブラッド・ピット主演の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』という映画。ピット演じる主人公は、80歳の状態で生まれ、時間の経過とともに次第に若くなり、最後は赤ん坊になって死んでいくというお話。年齢変化がこの映画のキモですから、半端なごまかしでは観客は納得しない。さぁどうする!
でも、さすがハリウッド。完璧なコンピュータグラフィックスで、全く違和感ない映像に仕上げております。各年代の顔をコンピュータで作り、それは画面内のブラッド・ピットの顔面に貼り付けております。もちろん、映像ですから、動きます。表情も変わります。それでも違和感を全く感じさせないのは、映像処理技術の進歩の成せる技でございましょう。
もっと一般的に、安易に行われているのが、キャスト替え。中年期、老年期は別の俳優に差し替えるという手法。これもまぁ賛否両論起きることがございまして、尾野真千子さん演じる『カーネーション』で、晩年を夏木マリさんが替わったときには、いろいろな意見が飛び交ったものでございます。