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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-02-17 【マイナンバーのモヤモヤを考える】

毎日新聞の記事から。静岡県湖西市の市役所が、ふるさと納税関連の書類を全国の各自治体に送る際に、マイナンバーを「流出」させてしまったとのこと。その数、1992人分。もしこれが本当の「流出」ならば、大問題なのでございます。

事実は、表計算ソフトで発送地域順に並べ替えるときに、範囲指定を誤ったために、個人情報とマイナンバーの並びがバラバラになってしまったとのこと。つまり、1992人分の書類のマイナンバーが単純にデタラメな数字になってしまったというだけの事。これを「流出」と書いてしまう新聞にも、少し悪意を感じるのでございます。

この「マイナンバー」というもの、ちょっと考えてみましょうか。お国は「他人に知られるな」と注意しております。いや、でも、その他人に知られては困るような番号が、マイナンバーカードには堂々と記載されてる。ご丁寧にQRコードなんかもついてる。う〜む、不可解なり。

さらに、レンタルビデオ店などで本人確認する場合、店員が番号を確認するのはOK。でも、その番号をコピー機で複写するのはNGとか。でも、ビデオ店などが身分証明書をコピーするのは当たり前。結局、マイナンバーカードと別の身分証明書を2つ掲示するという話になるのでございます。

まず、「人に知られちゃいけない」というのならば、それは「暗証番号」の類。マイナンバーを暗証番号と考えると、いろいろ納得できてくるのでございます。でも、普通の暗証番号は4〜6桁ほど。どうしてマイナンバーは12桁も必要なのかという疑問も湧いてくる。

普通の暗証番号が「個人情報→暗証番号」という一方通行の参照なのに対して、マイナンバーは「ナンバー→個人情報」という逆方向の参照も必要となってくる。ですので、ナンバーが一意的(いちいてき)である必要があるからでございますよね。

今度は逆に、「単なる登録番号」として考えてみるのでございます。するとマイナンバーは、「銀行口座番号」と同じになる。すると、重要な操作をする場合には登録番号とは別に「暗証番号」が必要になってくるのが、容易に想像できますよね。マイナンバーカードでも、別に身分証明書も掲示させるのは、この理屈なのでございます。

さてさて、何となくマイナンバーの過渡期ぐあいが分かってまいりました。国民を通し番号で管理するというのは、倫理的な問題は取りあえず置いといて、事務的には非常に合理的でございます。しかし、本人確認には身分証明書を掲示させるという旧態依然な方法を用いております。この、最新のシステムに旧態依然な確認方法が混在している事が、マイナンバーのモヤモヤ感を醸し出しているのでございます。

ここで、アメリカの社会保障番号と比較してみましょうか。アメリカでは古くから「社会保障番号」を個人特定のIDとして利用しております。その番号だけで個人が特定されますので、多くのアメリカ人はその番号を暗記するなどして、大事に管理しております。

しかし、番号だけによる確認ですので「成りすまし」による犯罪が後を絶たないのでございます。このようなアメリカの事例を受けて、日本のマイナンバーはややこしい仕様になっちゃったのでございましょう。まぁ、過渡期ですので、いろいろシステムが落ち着いて、人々が慣れてきて、十分に活用されるにはあと10年くらいかかるのではないでしょうか?

いっそ、こんなのはどうでしょう? マイナンバーを16〜18桁にして、頭の12桁がマイナンバー。13桁以降は「暗証番号」にするというもの。暗証番号と明示的になっていれば、みんな扱いに慎重になるはず。さらに、もしマイナンバーが知られてしまっても、暗証番号まで知られなければ全く問題が無いのでございます。

暗証番号の入力は、よくあるテンキーでコッソリ入力する方式でいいですよね。あの方式なら、コンビニのレジなどで扱う事も出来る。今は身分証明書の掲示とかあるから、役所以外で使える場所って限られてくるのではないですか。と、考えると、これはクレジットカードやキャッシュカードと同じシステム。

さぁさぁ、ここまで考えてくると、さらなるアイデアが浮かんでまいります。マイナンバーという特別なシステムを立ち上げるのではなく、既存のクレジットカードのシステムに乗っかれば良かったのでは? で、次の様なアイデアに結びつくのでございます。

まず、国営のクレジットカードを立ち上げる。これは、簡単。そして、マイナンバーの発行の代わりに、この国営クレジットカードへの加入を勧める。この時に、「国営クレジットカードは1人1枚」を徹底させる、ここ、重要。後は、確定申告の際など、その国営クレジットカードの番号を使うのでございます。

顔写真も付けとけば、身分証明書の代わりになる。キャッシュカードでは当たり前の生体認証を組み込むのも容易なこと。クレジット機能を付ける事が出来れば、ますます便利。まぁ、国営ですので、どんなクレジットになるのかは想像つきませんけどね(笑)。

さらに良い事が。クレジットカードのシステムは、全国的に普及しております。店舗などが新たに機器を導入する必要が無い。役所などが照会システムを組むにしても、すでに十分熟(こな)れた技術ですから、けっして大げさなシステムにはならない。

マイナンバーの導入には数千億円もの予算が投じられております。けれど、ワタクシが考えたこの方法ならば、かなり予算を絞り込める。う〜ん、なんか複雑な心境なのでございます。もうちょっと、要領よくやれなかったものでしょうかねぇ。まぁ、今は過渡期ですからね。今後、いろいろシステムの改良が図られていくのでしょう。今後を期待なのでございます。


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