店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
マツコ・デラックスさんが街の中をブラブラ歩く番組がございます。往来の際、いつもマツコさんの口からこぼれる言葉が、「ゴメンネ、ゴメンネ」でございます。ご自身の体の大きさは元より、カメラや照明やマイクがゾロゾロと街中を通り抜けていく迷惑さを気づかって、思わず出てしまう言葉なのでございましょう。
マツコ・デラックスさんの人気は、この「謙虚さ」が要因のひとつでございましょう。体の大きさ、女装というポジション、歯に衣着せない物言い、そういったある意味「ワガママ」な生き方を、ご自身も自覚していらっしゃる雰囲気。それがあって、「画面の中ではワガママさせてもらっているので、せめて一般社会を歩くときは、遠慮気味に歩かせてもらいます」という意思表示にも感じられるのでございます。
以前、「利他主義・利己主義、どちらも必要、いろんな人がいていい、いろんな人がいて強くなる」と申し上げました。今、アメリカは「世界の警察」を捨て、柔らかな利他主義から、純粋な利己主義に転換しようとしております。この考え方、国家という巨大な組織だけでなく、コミュニティとか企業とか店舗とか、そういった小さな枠組みの中でも言えたりいたします。
水商売で例えましょう。ただひたすら自分の利益を追求する利己主義な人を、ワタクシは「ホステスタイプ」と呼んでおります。競争意識が強いので、先頭を切って集客に努めます。一方、自分のことは置いておいて、人手の足りない所を率先して引き受けようとする人もございます。そういう人をワタクシは「マネージャータイプ」と呼んでおります。
ホステスタイプはサイコパス傾向が強い場合も多く、そういう人は独立して起業する人も少なくございません。ただ、「お店の運営」となるとマネージャータイプの人が必ず必要となってまいります。マネージャータイプは俯瞰で見ることが出来るのに対し、ホステスタイプは自分の目先しか見えないのと、あと意外ですが、ホステスタイプはお金の計算が苦手な人が多いのでございます。
ホステスタイプとマネージャータイプ。どちらかのタイプに極端に寄っている人が多いのですが、両者をバランス良く合わせ持っているマルチタイプの人もございます。最初はどちらかのタイプに寄っていたのですが、必要に迫られてもうひとつのタイプも会得したのでございましょう。生まれつきマルチで考えられる人がいたら、その人は天才かもです。
小さな小さなお店でも、こんな感じでいろんなタイプの人がいる。タイプが違えば、価値観も違う。人と人との軋轢が生まれそうですよねぇ。そこで、以前の書き込みを思い出して下さいませ。いろんな人が上手くやって行くときの魔法の言葉、「思いやり」。
「どうしてあの人は普通じゃないの!」とイライラするよりも、「みんな違っていて当たり前」と考える。「違っている人同士が一緒になるから上手く行く」と考える。そうやって、箱庭を上から見下ろすような考え方をすると、「他人が(自分から見て)普通じゃない(と思える)こと」がメリットと思えるようになるのでございます(ここまで達観するのは、難しいかなぁ)。