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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2016-11-09 【お〜れっは、ジャイア〜ン】

トランプ(trump)に「i」と「h」を足せば、トライアンフ(triumph)=「大勝利」、元々似ている単語でしたから、この大勝利は「必然」なのでしょうか。世界中が大統領選に振り回された1日でございました。

余談ですが、「triumph」と入力いたしましたら、日本語変換が「トリンプ」という候補を出してきました。え? 何だ? と思いながら「triumph トリンプ」で検索をかけましたら、なんと、trump、triumph、トリンプ、これ全部、同じ語源だとのこと。トリンプってのはドイツ語読みだそうでございます。

さて、アメリカの大統領選でトランプ氏をここまで押し上げた原因に、アメリカの貧富の差がございます。5.4%の富裕層にアメリカ総資産の半分が、上位1%の最富裕層に総資産の30〜40%が集中しているそうでございます。日本の場合は、最富裕層1%に6〜7%の集中らしいので、日本に比べるとかなり貧富の差が進んでいると言えるのでしょうか?

一見、日本もアメリカも、貧富ピラミッドの頂点にお金が集中し過ぎているように見えますが、自由経済ですと、こんなもの。例えば、一般の店舗収入ひとつを見ても、だいたい上位3割のお客様に売上総額の7〜8割が集中していると言われています。当店でも、だいたいそんな数字になるかな。

話を資産に戻しましょうか。一般大衆側から見上げると、「数パーセントの最富裕層に下層の資産が吸い上げられている」という見方になる。ところが、国家的に上から見下ろすと、「数パーセントの超エリートが国の収入を支えている」という見方になるのでございます。貧富の差をなくすということは、国の支えを失うということ。ワタクシ、断言しちゃいますよ。貧富の差は「必要悪」なのでございます。

今回当選したトランプ氏、紛れもなく「超エリート」に属しております。この人が貧富の差を語るのだから、おもしろい(笑)。このあまねく存在する「貧富ピラミッド」の構造を、あまりご存じない様子。で、怒りの矛先を、移民や日本に向ける。いやぁ、歪んでますねぇ。でも、この「問題の置き換え」にアメリカ国民が同調しちゃった。トランプ氏自身には自覚がない様子。この先、「歪みの限界」がどこかで来るような気がいたします。

貧富ピラミッド構造なんてものは、何千年も前から存在いたします。それが、ここ近年でやたら注目されるのは、やはり情報社会になったからではないでしょうか? つまり、貧富の差も、見えていなければ気にならない。そう、世の中に金持ちがどれだけいて、その人達がどんな生活をしているかなんて最初から知らなければ、人間というもの、現状でそこそこ納得して生活出来てしまうのでございます。

なまじっか見えてしまうから、比較してしまう。なまじっか商品が並んでいるから、欲しくなる。と、いうことは、ネットもテレビも無いような時代に戻ってしまえば、意識的には貧富の差は少なくなる。しかし、現代社会では、とくに都市部では有り得ませんよね。貧富の差に疲れたら、田舎に行って、情報を遮断し、慎ましく生きるというのがよろしいのでしょうか? 田舎の町おこしにもなりますしね。

貧富の差には、もうひとつキーポイントがございます。それは、「底辺の位置」。底辺というのはピラミッドの底辺、というか底面でございますね。この位置のことでございます。国民総保険制度のある日本は、この貧富ピラミッドの底面が、アメリカに比べるとちょっと高め。この「最低限の生活」が少し高めであることで、世の中が貧富の差に対して寛容になるのでございます。

さて、「歪みの限界」と申しましたが、アメリカにこの歪みの限界がいつ来るのか? あるいは来ないのか? シェールオイルで産油国になったアメリカ、今は恐い物なしになっちゃいましたからね。ジャイアンと呼ばれていたアメリカに、本当のジャイアンが現れてしまいました。スネ夫くんである日本は、どう対応していくのでしょうか? では、では。


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