店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
まずは、報道にひと言。災害が起きますと、新聞社、テレビ局などがヘリコプターにオーダーを出しまくってしまいます。新聞社は自前でヘリを持っていることが多いのですが、問題はテレビ局。災害現場の上空は、各テレビ局がオーダーしたヘリコプターで空が埋め尽くされるという事が少なくございません。
しかも、テレビ関係者ってのはそういった事に手慣れている。早々とヘリを買い占めてしまい、後から一般の方や行政が救援に使おうと思っても残っていなかったりする。そして、報道ヘリってのは救援物資の投下などは一切出来ない。さらにさらに、お構いなしに騒音を発し、救助活動の妨げになったりする。もう、ほんと、ろくでもない連中でございます。
そこで一案。政府の非常事態宣言と合わせて、報道関係にもちょっとした「ご協力」をお願いするのでございます。それは、「共同映像体制」。各放送局が映像や取材情報を共有する。地域や役割を分担して、被災地の上空を多数の報道ヘリが埋め尽くすなんてことがないようにする。
映像を共有いたしますので、局アナが違うチャンネルのニュースに登場するなんて事もございます。そして、取材情報を共有して、孤立した被災者、生存者、死亡者のリストを早急に作り、誰でも閲覧できるようなデータベースシステムを早急に構築する。孤立した被災者には、最小限の支援物資の投下を報道ヘリにさせる。報道関係のスクープ競争をやめさせ、救助活動の「目」となってもらうのでございます。
通信手段が失われますと、どこにどれだけの被災者がいるのかが分からない。救援物資が届いても、どこに送れば良いのか分からないので、倉庫に山積みされたまま痛んでくる。そういった反省がよく聞かれるのでございます。災害の初期段階では、報道関係のフットワークの軽さを利用して、「状況を把握する」という一番大事なことを担っていただくのでございますね。
え〜と、話が長くなりそうなので、今日のところは、あともう一つだけ。救援物資の送り方に関して。災害の初期段階では、一般の方々からの救援物資は禁止すべきでございます。受け入れ側にまったく準備が出来ていないからでございますね。企業からのまとまった物資であれば、受け入れ側も管理がし易いのでございます。
また、一般の支援物資に関しても、ダンボール箱の仕様を決めてしまう。災害用の専用ダンボールを最初から準備しておくわけでございます。箱の色や大きさを決め、内容物を外側に印刷しておく。箱を開けなくても一目で何が入っているかが分かるようにするのですね。箱の大きさが揃っているというのは、輸送上、大変なメリットなのでございます。そして一番重要なことは、異種な物資がひとつの箱に混在するのを防ぐのでございます。
「Art」という単語には、「芸術」という意味の他に「技術」という意味もございます。「Art of Loving」というエーリヒ・フロムの名著もございます。愛することに「技術」が必要なように、災害救助にも、それなりの「技術」が必要でございます。「助けたい」という情熱だけではうまく行かないことも多いのでございます。