店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
歴代まれに見る誹謗中傷合戦、そう揶揄してもよろしいのはないでしょうか。都知事選のことでございます。結果は小池さんの圧勝。組織票がガッツリ入ったであろう増田氏、鳥越氏に大差を付けた大勝利。東京都民は、与党・野党、両方に愛想を尽かし、一匹狼を選択したということですね。
「厚化粧」「病み上がり」そういった低レベルな言葉の応酬。果ては、選挙期間中に雑誌がスキャンダルを暴露するという大胆な行動。まるで子供の喧嘩でございます。小池氏が増田氏・鳥越氏と一線を画していたのは、この言葉合戦に踊らされなかったこと。逆に落選したお二人は、政策そっちのけで、この言葉合戦に顔を真っ赤にして応酬している始末。「選挙の技術」という点で、瞭然たる差が有ったのでございます。
この選挙の技術というもの、相手に何を伝えるかということでは、音楽や舞台、文芸などの表現の技術に通じるものがございます。つまり、選挙演説も「ひとつの舞台」で有るわけですよね。そこで重要なのが、やはり「客観視」。自分がこう発言したら、聞いた人はどう思うだろうか。そういった、俯瞰で自分の発言を見てフィードバック出来る能力、それが客観視でございます。
増田氏、鳥越氏が言葉合戦に踊らされている中、小池氏はひたすら「孤軍奮闘」をアピール。孤軍であることは重要ではございませんよ。重要なのは、孤軍というポジションにおいて、どんな「息づかい」で臨んでいるか、それが重要。その「息づかい」こそが選挙を勝たせるのだということを、小池氏はよく分かっております。そこは、選挙経験の豊富さが、ものを言っておりますよね。
でもこれは、小池氏のキャリアなら当然なこと。呆れるのは、増田陣営と鳥越陣営。与党、野党がしっかりバックに付いていながら、どうしてあんな低レベルな言葉の戦いに終始した? そこに、与野党全体の、現状の政治家の低レベル化を見るのでございます。策に溺れるというか、覇気が無い。選挙も舞台も同じ。小さな言葉遊びでお客の心を掴んだ後、お客を感動させるのは演者の「息づかい」なのでございます。
さて、当選した小池氏、都議会と対立することが予想されておりますが、これは現名古屋市長の河村たかし氏と名古屋市議会との関係と同じようなもの。大きな問題ではないのでございます。客観視が出来、適切な落としどころを見抜いている小池氏なら、上手にやり抜けるのではないでしょうか(その点、河村氏はそこまでクールじゃないので、ちょっと揉めることが多い)。