«前の日記(2010-11-03) 最新 次の日記(2010-11-07)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2010-11-05 【デジタル時代は、コピーされること前提の時代】75.95kg

いやぁ、目覚め一番、朝からとんでもないニュースでビックリさせられた日でございました。あれだけ隠していた“例の映像”が、YouTubeに流されたとのこと。う〜ん、海に落ちた海上保安官が銛で突かれるシーンは含まれていないようでございます。もしそんなシーンが残されているのだとしたら、日本はまだまだ大きな“切り札”を持っているということでございますよ、もしそんなシーンが有るとすればのお話でございますけどね。

で、その映像の内容に関しては他の人たちにお任せするといたしまして、「誰が映像を漏らしたのか?」という犯人捜しが一部で取りざたされておりますよね。ということで本日は、画像や映像に付随するデータのお話でございます。この付随データを調べることによって、データの出所が分かることもあるのでございます。

カメラがデジタルになって以降、画像データにはカメラ(携帯電話)の機種や露出などの撮影データが、自動的に付けられております。これは画像データとは別のブロックに保存されておりますので、画像を編集したりトリミングしても付随データは残ります。しかし、オープンなデータですので、画像ソフトで簡単に変更や削除することも可能でございます。セキュリティとか秘匿といったこととは無縁な、実用的なユースのために用意されている付随データでございます。

ということで、セキュリティ・秘匿といった用途になりますと、画像データの中にデータを隠すという方法が出てくるわけでございます。実は、この画像データの中に他データを隠すといったことは、誰でも手に入れられる数千円のソフトで実現可能なのでございます。何気ない風景写真の中に、エロエロの秘密画像や動画を隠しておくなんてことも可能でございます。ちょっと秘匿性は高くなりますが、それなりの知識を持っている人ならば簡単に見破られてしまう隠し方でございます。

前段の方法は、見せかけの画像と隠したいファイルをまるでひとつのファイルのように見せかけることで実現しております。さらに高度な方法として、秘密のデータを暗号化して、ノイズの形で画像データ全体にちりばめてしまうという、「深層暗号」という方法がございます。この「ノイズとして」というのがミソ。わずかなノイズなので、普通に見ている分には気がつかない。仮に抽出できたとしても、暗号がかかっているので本物のノイズと区別が付きにくく、見過ごされやすいという利点がございます。ただ、画像や映像に何らかの編集が加えられてしまうと暗号データが破綻して失われてしまうのですが、この性質を逆に利用して、データに改ざんが施されていない証として利用されることもあるようでございます。

さらに強力なものとして、「電子透かし」というものがございます。これも画像や映像に暗号データを埋め込むのでございますが、画像編集を施しても消えない、一度ディスプレイに表示させたものを再撮影しても消えないという、強力な暗号埋め込みでございます。強力ではございますが、大きなデータを埋め込むことは出来ないので、著作権情報を埋め込むのに使われているようでございます。

また、以上のような「隠す」という方向性ではなく、「忍び込ませる」というやり方もございます。地図データなどに使われている方法で、意図的な誤植や存在しない道を所々に忍び込ませておくのでございます。もしその地図データがコピーされて使われても、その意図的な間違い部分を指摘することで、自データであることを主張できるという仕組みでございます。地図の他には、コンピュータソフトにも使われる方法でございます。

さてさて、データの中にデータを隠す方法をいろいろ申し上げてまいりましたが、これらの方法は全て「コピーを防ぐ技術」ではございません。データというのは、“触れる状態”になっていればコピーされるのは必至なのでございます。むしろ「電子透かし」のような技術は、コピーされること前提でそのコピー品から“出元”を追跡するのが目的だったりいたします。

例の流出データが誰の仕業なのかは現段階では分かっておりませんが、もし電子透かしのようなものが巧妙に入れられていれば、すぐに追跡できたことでしょう。まぁ、ずさんな管理だったようで、そんな手間暇はかけてないようでございますけどね。


«前の日記(2010-11-03) 最新 次の日記(2010-11-07)» 編集