店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
何気にテレビをつけて、偶然いい番組に巡り会うということがございます。本日も終了後にふとテレビをつけましたら、『愛と青春の宝塚』という舞台が放送されておりました。2002年にドラマ版が放送されているらしいですが、ワタクシが見たものは2008年に新宿コマ劇場で公演された、宝塚歌劇団OGが出演しているものでございます。
この偶然視聴した番組が、いい! 感動した! ニューハーフ業界には“タカラヅカ大好き!”という人が少なくないのでございますが、ワタクシはどうもタカラヅカが苦手なタイプの人間。あの独特な化粧や独特な台詞回しが馴染めないのでございます。ところが、この舞台は宝塚卒業生がタカラズカの舞台色に縛られず、自然な化粧、自然な演技で臨んでおります。その自然さがいい! 自然な演技ではありますが、ダンス・歌・演技というものをキッチリ勉強しておりますので、安心感もある。“あざとさ”を感じない、素晴らしい舞台中継だったのでございます。
この舞台のすばらしさは、出演者全員が基本的な技術を習熟した粒ぞろいであることに加え、各出演者が「個」を捨て、舞台全体を成功させるためにチームワークに徹しているからではないかと思うのでございます。まぁ、出演者にしてみれば自分たちの大先輩を演じるのでございますから、謙虚な姿勢になるのも当然。その謙虚さが、実に爽やかなチームワークを実現しているのではないでしょうか。
最近は舞台でもドラマでも「まずキャスティング有りき」の作品が多く、採算や視聴率の取れるタレント起用が最優先され、その出演者の技量に合わせて脚本まで手直しされる場合もございます。こういったのは営業的には正解なのでしょうが、作品的には“やっつけ”的な雰囲気があり、それを補うためのウケ狙いの“あざとさ”が有ったりいたします。それゆえに、この『愛と青春の宝塚』の清々しく真摯な舞台への姿勢には、感動させられたのでございましょう。もっとも、ワタクシも舞台に立っていたころには結構あざといことをやり、演出家や共演者を困らせたりしたことがございますので、「おまえが言うな」とツッコミを入れている人がいるかも知れませんね。