店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、 いろいろ書いたりするかもです
かつての従業員で、「接客の神髄は“まごころ”だ」と言い切ったコンパニオンがおりました。確かにそのコンパニオンは指名をいただくことも多く、人気のあるコンパニオンでございました。「まごころ」とともにワタクシなどは「思いやり」なんて言葉をよく使いますが、この「まごころ」や「思いやり」といったもの、じゃぁ何を持ってまごころ、思いやりとするのか、そんなことをつらつらと考えたことがございます。
ズバリ!、まごころ、思いやりとは、「観察力」「想像力」なのでございます。人の細かな表情の変化まで読み取る観察力、そしてその観察からその人の心の内を想像する力、その観察力と想像力から得た結果で、その人に何をしてあげればいいかを考える、それがまごころであり、思いやりなのでございましょう。まごころも思いやりも、「まず相手の心、有りき」なのでございます。
観察力が乏しいと、間違った方向に進んでいることに気がつかないかもしれません。想像力が妄想に走ってしまうと、それは独りよがりの愛情になり、ときには憎しみが芽生えるかもしれません。昨年8月に起きた“耳かき店員殺人事件”の裁判が始まりますね。自分では愛情や思いやりだと思っていた行為が、相手にとっては迷惑行為でしかなかった。そんなすれ違いの末の悲しい事件でございました。このような事件が起きるたび、自分の観察力や想像力を、あらためて再認識させられたりいたします。