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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2010-04-24 ひとつひとつの作品が、それぞれの小宇宙でした

「渡辺みか」のいけばな展、行ってまいりました。会場には他の生徒さんの作品も多く飾られておりました。本格的な大作もあれば、かわいらしいのもあって、楽しんでまいりました。渡辺みかの作品も、良かったですよ。写真を撮ってきましたので、どうぞご覧下さいませ。

絵画でもそうですが、西洋の美術感覚というのは「物が存在するところに意味がある」文化でございまして、隙間が有れば何かを詰め込んで意味を持たせようとするところがございます。その結果、キャンバスには隙間なく絵の具が盛られ、花瓶にはあふれんばかりの花が挿されることになるのでございます。逆に東洋の美術感覚は「余白や見えない物に意味を持たせる」文化でございまして、水墨画のように余白の奥に見えてくるものを楽しんだり、生け花のように形のベクトルを味わうという芸術が存在いたします。

先日、「敗者の美学」なんてことを書きましたが、日本には「永遠でないものが儚(はかな)く美しい」と愛でる文化がございます。無常観と言われるものでございますよね。これは、西洋文化が「永遠不変なる物が美しい」と感じるのと対称的でございます。日本の伝統的な生け花は、最小限に切り詰めた素材で最大の表現を得ようといたしますが、その切り詰めた素材の洗練さに、ギリギリのところで存在している儚さのようなものを感じるのではないでしょうか。いけばな展を鑑賞しながら、そんなことを考えておりました。

「渡辺みか」の作品


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