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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-12-08 意味や由来が大切なのではなく、それを扱う人の心が大切なのですが

本日のテレビ番組を見て、ちょっとひと言、書きたくなったので。風俗店のサイトとは思えない堅いお話になるかも知れませんが、よろしければお読み下さいませ。

『クローズアップ現代』(NHK総合)
 さまよう 兵士たちの“日の丸”

今、アメリカ国内で、日の丸の売買が行われているそうでございます。64年前、太平洋戦争で戦死した旧日本兵が身につけていた日の丸を、アメリカ兵が戦利品として持ち帰り、大事に保管していたものでございます。破れたり、血痕が付いていたりしますが、日本兵が出兵した時の寄せ書きがぎっしりと書き込まれており、アメリカ国内では“美術品”として扱われ、数百ドル〜数千ドルで売買されているそうでございます。

売りに出す人の多くは、それを持ち帰ったアメリカ兵。戦死した日本兵に心を痛め保管していたのですが、「もし自分が死んだら簡単に捨てられてしまうだろう」ということを心配し、日の丸の価値が分かる場所へ出品するとのこと。遺族に返そうと、直接日本の外務省に送られてくる日の丸も年間200枚ほどに上るそうですが、当時の出兵者の記録などがほとんど残されてなく、遺族に返される日の丸は非常に少ないそうでございます。

日本人が見れば、その日の丸が何であるか、そしてそこに秘められた「重たい意味」は一目瞭然でございます。そういったものが何万枚も美術品として流通し売買されているというのは、日本人の感情としては、非常に心苦しいものがございます。しかし、最初は“戦利品“としか思われなかった日の丸も、戦後、時を経るにつれ、徐々にその「重たい意味」が理解されてきたようで、64年を経た今でも、その多くが処分されずに残っているというのは、幸いなのでございます。

アメリカ国内を美術品として“さまよう”日の丸、また、日本国内で遺族の見つからぬまま“さまよう”日の丸、こういった貴重な戦争の資料を、管理し保管するような施設は、日本にはございません。いやむしろ、小さな記念館は日本中に散在いたしますが、戦争の記録を総合的に陳列するような博物館は日本にはございません。以前韓国へ旅行に行ったとき、ソウル市内にある立派な戦争博物館を訪れて、感動した覚えがございます。そして、日本にもそういった戦争博物館を作れないものかと、以前、自分のブログで申し上げたことがございます。

ところが何でしょうねぇ、日本では「戦争」を深く掘り下げることには、どこか“アンタッチャブル”な空気がございます。戦争どころか「日の丸」「君が代」といったものもきちんと“決着”を付けられず、相変わらず論争の種になっております。オリンピックなどの国際試合で堂々と日の丸も君が代も使っておいて、学校の始業式ではそれを使うかどうかで揉めたりする。その「チグハグさ」を、小さい子供たちが見てどう思うでしょうかねぇ。

もちろん、議論することは必要だと思いますよ。ただ、大人の議論を子供の教育の場に持ち込むのは、それこそ「場違い」だと思うのでございます。大人の理屈をとりあえず“飲み込んで”、子供たちにどういう“姿勢”を見せるか。「日の丸」や「君が代」が持つ社会的問題は、子供たちが理解できる年齢まで待ってから伝えるというような「余裕」は、教育の現場にはないような気がいたしますねぇ。

日本人自らが決着を付けられていない「日の丸」を、多くのアメリカ人が大切に保存してくれていたというのは、なんだが恥ずかしい思いがしたのでございます。そして、その日の丸が廃棄されるのを心配して美術品として出品するアメリカ人、遺族に返してくれと日本に送ってくるアメリカ人、そのようなアメリカの心に対して、日本人は本当に国家や国旗を大切に扱っているでしょうか。そんなことを考えさせられる番組でございました。

ちょっと陰気くさいお話で申しわけございません。明日は、ちょっとエロい話でもいたしましょうかねぇ。ではでは...

【戦争博物館を作りませんか】(ワタクシのブログより)

http://blog.she-mail.jp/blog/2006/08/post-f62b.html


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