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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-09-10 愚かな行いってのは、ときとして楽しかったりいたしますが...

ここのところ、毎週水曜発売の『週刊新潮』を楽しみにしております。と言っても、記事をまじまじと読むということは少なく、もっぱり巻末の「週刊鳥頭ニュース」という佐藤優、西原理恵子による漫画エッセイが目当てでございます。

このエッセイ、先週号のテーマは「薬物汚染」。内容は「個人の幸福追求を認めた近代国家では、たとえその幸福追求が他人から見て愚かな行為であっても、それは基本的人権として認められている(愚行権)ということ。そして、その愚行をする権利に対し、他人に危害を加えてはいけないからという禁止理由(他者危害排除の原則)が有るにもかかわらず、それをマスコミはきちんと報道していない」といったところでございましょうか。

分かりやすく言いますと、近代国家市民は、自殺をすることも、健康に悪いものを飲食することも、不潔にすることも、すすんでホームレスになることも、まったく「自由」なのでございます。となると、自分の部家の中だけで行うのであれば、麻薬の使用も本来は近代国家市民のひとつの権利なのでございます。ただ、麻薬というのは他人に危害を加える可能性が非常に高いということで、厳しく取り締まられているのですが、この「他者危害排除の原則」が前面に報道されず、本人のボロボロ度ばかりを報道するには問題がある、と佐藤優氏は主張しております。

このような他者危害排除の原則に基づいて麻薬を取り締まっているにもかかわらず、麻薬常習者の犯罪が「判断能力がなかった」という理由で減刑されることは非常に多いものでございます。加害者の権利と被害者の権利を両方とも守ろうとして、こんな中国の矛(ほこ)と盾(たて)のようなお話になっちゃうのでございます。また「人間やめますか」という麻薬撲滅のCMがございますが、そもそも進んで愚行におよんでいる人に対しては愚行の度合いが増えるだけの話で、そんなコピーはちっとも抑制にはならないのでございます。

飲酒運転の問題も「他者危害排除の原則」によるのですが、こちらの罰則は近年厳しくなっております。麻薬に対しても同様に減刑処置を認めるべきではないと思うのでございますが、世の中の動向はどうなのでしょうか。ボロボロになった人を追いかけ回すのも結構でございますが、「薬物中毒」そのものを議論するという姿勢を、マスコミには持ってもらいたいと思います。

まだ、ちょっと書きたいことがあるのですが、重たい内容ではございますし、また明日の分にでも書きましょうか。ということで、本日分はこの辺で。

週刊新潮と「週刊鳥頭ニュース」


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