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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-08-17 愛の先生は神様の使い

先日書きました「騙し通す愛」に関して、補足いたしますね。どうも自分で読み返していて、彼氏が逮捕された直後に担当の刑事と世間話とか、妙にワタクシが冷酷で割り切った人間のように感じられるかなと、ちょっと心配になったからでございます。

その彼と一緒に生活していたころは、毎日が「不安」の連続でございました。「得体(えたい)が知れない」という不安でございます。人間というのは、安心するために、とりあえず相手にレッテルを貼るものでございます。「あぁ、この人は会社員の人」とか、「この人は自営業の人」とか。で、相手の得体が全く分からないと、これは不安でございますよ。幽霊の正体が分からないから怖いという、あの感覚でございます。

ですから、「明日、何が起こるか分からない」という不安を毎日抱いたまま生活するわけでございます。これは怖いっすよ。ほんと薄気味悪い。ただ、途中で、「ははぁ、これはワタクシを庇(かば)うために隠しているのだな」と感じるわけでございます。というか、ワタクシにそれを感じさせるだけの確信のある愛情が、彼にあったということでございます。そこでワタクシ、腹を括(くく)ったですよ。「宝船か泥船が分からないが、この船にとことん乗ってやろう」。一蓮托生ってやつですな。運命を共同にする者どうしの、ある種の信頼感でございます。

楽しいながらも薄気味悪い不安感を抱いた毎日でしたから、彼の逮捕を知ったときにはまず、「あぁ、この日が来たか」と、淡々と思っただけでございました。そして、今まで何が起こっていたのかが、大変気になる。ということで、家宅捜索の最中の、担当の刑事との世間話になるわけでございます。ワタクシは彼がワタクシを巻き込むようなことは絶対にないと確信しております。そのワタクシの安心した顔を見て、担当の刑事も、彼がワタクシを庇っていること、ワタクシが彼の正体を全く知らないまま信頼していたこと、そんなことすべてを察するわけでございます。さすが犯罪捜査のプロでございます。

その彼には、留置所・拘置所に何回か面会に行きましたよ。差し入れもしました。刑期を終えて出てきたとき、一回だけ会いました。でも、そのときにはワタクシには新しい生活が始まっていて...彼はそのまま身を引いていきました。なんだか、「事実は小説よりも奇なり」とか言うでしょ。でもね、ホントそう思いますよ。人生って面白い。こう考えると、紆余曲折の人生ってのも、なかなかオツなものでございますよ。まぁ、こんなことが言えるのも、この顛末が○○年も前のお話だからでございますけどね...

ワタクシの「愛」に関する価値観は、その彼の影響を非常に大きく受けております。彼は、ワタクシに「愛」を勉強させるために神様が送ってくれた、「愛の先生」だったのかも知れませんね。ただ、じっくり勉強させてはもらったのですが、「実践」は難しい、難しい。といったところで、本日はこのへんで...


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