店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
その名のとおり、レオは強くたくましく育っていきました。しかし、ひとつだけほかのライオンと違うところがあったのです。実は、レオはヒョウとライオンとのあいだに生まれたレオポンという変った種類のライオンだったのです。
都会の動物園ならば、レオはきっと人気者になったことでしょう。しかし、ジャングルの中では、珍しい動物というのは仲間はずれになってしまうのです。レオはライオンの仲間にも、ヒョウの仲間にも入れてもらえませんでした。レオは悲しくて涙がでました。ひとりぼっちになってしまったレオは、旅に出ることにしました。
レオは、村の住民と少し仲よくなりました。けれど、あるちょっとしたことで、レオはツメとキバを見せてしまいました。すると村の住人は驚いて逃げていってしまったのです。この村の住民はツメとキバのある動物を見たことがなかったからです。
その村では、旅の途中でつかまえたたくさんの獲物をみんなにプレゼントしました。しかし、村の住人は誰もお肉を食べなかったのです。お肉は腐り始め、住民は嫌な顔をしました。レオはまた悲しくなって、その村を去りました。
またレオはひとりになりました。レオはひとり旅の途中、空に浮かぶ雲を見上げながら考えました。「空を飛びたいな。あのフワフワの雲に乗りたいな」。そんな思いをはせながら、さらにいくつかのジャングルと、いくつかの川を越えていきました。
ひとりでジャングルの中を行動するというのは、とても危険なことです。ひとり旅を続けているあいだに、レオはどんどん警戒心が強くなってしまいました。そして、かわいらしかった丸い目も、とんがった野生の目に変ってしまっていました。
ジャングルの中では、何日も獲物がとれない日が続いたりします。何日もお水を飲めない日が続いたりします。そんな生活をしているうちに、レオの内臓はボロボロになってしまっていました。そして、ときどきお腹が痛くなったりするのを、レオは少し気がかりにしていました。
長い長い旅の末、ある居心地のよさそうな村に着きました。しかし、すでに野生の鋭さを持ったレオは、ここの住民とも衝突してしまいました。ひとり旅に慣れてしまっていたレオは、また違う村へ行けばいいと考えていました。
そんなレオを見かねて、村の長老がレオに話しかけました。「レオや、おまえは本当は正義感が強く、思いやりのある子なんじゃぞ。しかし、その思いやりを押し売りしてしまうじゃろ。自分の思いを半分伝えたら、相手の思いを半分聞いてみてはどうじゃ?」。