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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2008-11-07 捨てる勇気を持てると、心に遊びが生まれます

『エド・はるみ物語』なるものが放送しておりました。まぁ、受付をやりながらしっかり見てしまったのでございます。このエド・はるみさん、若い頃は役者をしていたようでございます。ですから、いきなりドラマなどに採用されても、ソツなくこなせたのでございましょう。ただ、まったく売れなかったそうでございます。今回、エド・はるみさん本人が出演するこの『エド・はるみ物語』を見て、売れなかった理由を何となく察したような気がしたのでございます。

この人の演技は、いわゆる王道の鉄板の演技だと思うのでございます。基本に忠実な、きっちりとした演技でございます。でもどうも、きっちりとし過ぎて“遊び”が無いように感じられるのでございます。俗に言う「可もなく不可もなし」というやつでございます。

芸術作品というものは、「見せるポイント」というものがあるのでございます。ポイントはやや誇張して、そのポイントを目立たせるために「あえて勇気を持って捨てる部分」というものも、また必要になってくるのでございます。ところが、実直な性格の人だったりすると、すべてを完璧に整えようとしてしまい、結局、ポイントの薄い平板なアピールになってしまったりいたします。

つまり、エド・はるみさんが真面目に演技すればするほど、「上手なんだけど、なんか響いてこないなぁ」という演技に落ち込んでいたのではないでしょうかねぇ。真面目にやればやるほど、その落とし穴に深く入っていくので、これはなかなか本人が気づけなかったりいたします。というような事を、『エド・はるみ物語』を見て、少し思ったりいたしました。

その彼女が「お笑い」の世界に入ったのは、非常に幸運でございました。お笑いというのは、一般常識の否定、生真面目さの否定、価値観の否定、そういった既成概念の否定から始まるのでございます。いままで真面目一本で固まっていたエド・はるみさんの価値観が、吉本という環境でバラバラにされたのでございましょうね。その新しい価値観を支えたのは、長らく続けていた演技なのでございましょう。「こんなことがやりたい」と思っても、それを表現する演技力がなければ、お客には伝わらないのでございます。実に良い時期に新しい環境に入っていったのかもしれませんね、彼女は。

今後のエド・はるみさんの活躍が期待されるのでございます。演技にもっと遊びがでると、良い女優さんになるかもしれませんよね。ではでは...


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