店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
お化粧をしながら、こう考えた。ブルーのアイシャドウには、こげ茶色のアイラインがことに似合う。この青と茶のこの上ない安定感の理由を思いめぐらすに、青は高く突き抜ける空の青である。しこうして、一文字(いちもんじ)にきりりと伸びる茶は地平線の茶である。人類がその進化の過程において何千万年も見続けてきた空と地面とその境界線は、まるで地下水が鍾乳洞を造りあげるかの如く、じわじわとその陰影を遺伝子の深層に刻み続けてきたのだろうか。虚空に広がる空の柔軟さ、眼下に堅固たるその大地。その柔と堅の組み合わせの妙が、生命神秘の奥深くに刻まれた本能をくすぐる。かくして、青と茶の神秘的な融合が、生命を育む空と大地に由来すると達観せしとき、ふと、青の中に白のハイライトを入れてみた。雲の白である。