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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2021-07-05 【ヒトケが尺度】

なんか医療ドラマがふたつほど始まってまして、ボチボチ見ております。フジテレビ系は、波留主演で夜間診療をテーマにした「ナイト・ドクター」、TBS系は移動救命室という先進的な設定の「TOKYO MER」。

波留さん、朝ドラの頃は可愛かったですが、そろそろ、いいお年になってきまして、年齢相応の顔立ちになってまいりました(奥歯に物が挟まっているのは、ご容赦下さい)。それがですね、良い意味で、「取りつくろわない顔」になって来たのでございます。別な言い方をすると、体当たり的な顔。役者として、良い感じの「開き直り」を感じるようになったのでございます。

役者というのは、ついつい、自分に与えられた役を「美化」したくなってしまうもの。そして、演技での自分の顔を取りつくろってしまうのでございます。若くて、立っているだけで後光が指しているような時期は、そんな「きれいごと演技」でも十分やって行けちゃうのでございます。その若さが無くなった時に、どうするか。今、波留さん、そんな時期なのでしょうね。「美化したくなる自分との戦い」、そんな物を波留さんの演技から感じております。

もうひとつの医療ドラマ、「TOKYO MER」は、鈴木亮平さんが主演。鈴木亮平という役者さんは、自分の役にとことん入れ込むことで有名。役になりきるために痩せたり太ったりなんてこともやって、倒れる寸前にまでなったこともございます。今回のドクター役でも、彼なりの独特な解釈のドクター像を演じている感じがいたします。

鈴木亮平の演じるこのドラマのドクターには、「高揚」が無い。他の役者が感情的な演技でぶつかってきても、まさに「のれんに腕押し」状態のリアクションでございます。緊急場面でカッコ良く指示を出すかと思いきや、むしろ淡々としていて、ややもすると、機械的というか事務的な印象を受ける時もございます。この演技、多分、賛否両論に分かれるのではないかなぁ。

ワタクシ、以前より、「医者ってのはもっと淡々としているのではないかなぁ」と思っておりました。イレギュラーな事態でいちいち大袈裟なリアクションをする医者って、逆に心配になりません? つまり、医療ドラマのステレオタイプの派手なアクションの医師というのは、ドラマ向けに作られた演出だと思っております。鈴木亮平さんは、そこの所に、まさしく、ドラマのステレオタイプにメスを入れた演技を目指しているのではないかなぁ、と思った次第でございます。

ただね、「リアルではあるが、カタルシスの少ないドラマ」にもなりかねないという両刃の刃。まぁ、これは、脇役陣とのかね合いもありまして、総合的にどんなドラマに仕立て上げていくかというのを演出家なりプロデューサーが分かっていれば問題ないこと。となると、敵役的ポジションの賀来賢人、要潤と鈴木亮平との絡みが重要になってくるはずでございます。吉と出るか凶と出るか? ちょっと、別の意味でヒヤヒヤしながら見ているドラマでございます。

さて、医療ドラマ全般に言えることですが、重要な尺度になるのが、病院内の「人気(ひとけ)」でございますね。つまり、エキストラの数。予算不足・時間不足などでエキストラが呼べないと、病院の中が閑散としていたり、広い医局にいつも同じ主要メンバーしかいない、なんていう不自然な描写になるのでございます。逆に、人気(ひとけ)が多いほど、予算も撮影時間も膨れあがっていく。余裕のあるドラマは、人気(ひとけ)が多いのでございます。

以上、建築現場のクレーンだけでなく、医療ドラマにも興味津々のワタクシでございました。では、では。


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