店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
この言葉を忖度や社交辞令の無い素の会話で言われたりいたしますと、冷静を装いつつも、内心、小躍りしているものでございます。実は、経営者ってのは上手に、いろいろ、サボっているものなのでございます。そんな後ろめたさも有るのか、他人様から客観的に働き者の称号をいただけると、嬉しくも有り、やり甲斐も出るものでございます。
よくね、公共の場のトイレに、「いつも綺麗に使っていただいて、ありがとうございます...」という書き出しの注意書きが貼ってあったりいたします。何気ない注意書きでも、こう切り出されたら悪い気はしない。他の人が綺麗に使っているのなら自分もそうしなきゃ、なんて気分で注意書きを読むことが出来る。トイレの貼り紙に限らず、最近、こういった言い回しが増えております。
これね、「最近、トイレを汚す人が増えてます...」みたいな否定的な書き方が、かえって逆効果になることが分かってきております。「汚す人が増えている」という情報で、かえって汚すことに安心感を生んでしまうのでしょうかねぇ? 「人の振り見て我が振り直せ」ではなく、「赤信号、みんなで渡れば恐くない」ということでしょうか。ビートたけしの古いギャグも、罪な言葉になってしまいましたねぇ。
信号の無い横断歩道に歩行者がいたら、本来は、車は一時停止をする義務が有るそうでございます。これ、実際にどうなのか? それを、中学から大学にかけての6年間に渡って調査した女性がいらっしゃいます(毎日新聞より)。その女性は、ドライバー側にも聞き込みをしてまして、その言い分が「歩行者が横断するか分からない、横断するという意思表示をして欲しい」とのことでございました。それでその女性、横断歩道で「手を挙げて待つ」という実験をしたところ、止まってくれる率が上がったそうでございます。
さて、この問題、ワタクシが何を言いたいかと申しますと、マスメディアは「横断歩道で止まらない車」ばかりを取り上げる。だから、「あぁ、みんな止まっていないのだから、自分も...」という気持ちを抱かせるかもしれない。トイレの貼り紙と同じ理屈でございますね。この問題に限らず、世の中を前向きにさせるためには、まず、肯定的な切り出しで物事を紹介した方がよろしいということでございます。