店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
警視庁に「サイバーセキュリティ対策本部」というのがございます。ドラマ『相棒』で浅利陽介演じる青木年男が所属している部署と言うと、イメージが湧きやすいでしょうか。ネットに転がるあらゆるデータや映像を解析して真実を追及する部所でございます。
実は、民間にも似たような組織が多く存在しております。民間ですから、取得出来るデータは公開情報(Open Source)に限られてしまいます。オープンなソースで捜査(investigation)するので、これを「オープン・ソース・インヴェスティゲーション(Open Source Investigation)」と申します。
彼のチームは、昨年の夏、世界的に注目されることになるのでございます。2014年にウクライナで墜落したマレーシア航空機の事故を、「ロシアによる撃墜」と特定し、何と、命令を出した司令官の名前まで突き止めたのでございます。ネットの公開情報、そしてYouTubeの映像などを駆使して、そこまで出来るのでございます。
また、新聞社や放送局が、オープン・ソース・インヴェスティゲーションの部所を持っている場合もございます。今年の1月に、イランで墜落したウクライナ航空機の事故は、「イランのミサイルによる撃墜」であることを、「ニューヨークタイムズ」が突き止め、大スクープとして脚光を浴びたのでございます。
BBCやCNNにも、オープン・ソース・インヴェスティゲーションのチームはございます。中国のウイグル自治区において、中国政府が否定する収容所が実際には存在していることを衛星写真から突き止めたのは、CNNのチームでございました。フェイクニュースが飛び交う昨今、放送局にとっては重要な部所となっているのでしょう。
さてさて、日本では? これがねぇ、全く、大笑い。日本の放送局2社が、2ヶ月も前の写真を持ち出して、「3密だぁ!」と大上段に振りかぶってしまった。テレビを見た人が映像をチェックし、写真の間違いを指摘して大炎上(笑)。ほ~んと、情けないったら、ありゃしない。こりゃぁ、普段からやらかしてるな? 日本の放送局(笑)。
日本にも、オープン・ソース・インヴェスティゲーションを行える優秀な人材が多数存在しているのは、確かでございます。でもね、その優秀な人達は、もっぱら、テレビの嘘を見破ったり、アイドルの自宅を捜索することにかまけております。そして、政治家の嘘を追及するのは、いつも新聞社ではなくゴシップ週刊誌。あ~あ、これを「平和」と呼ぶべきか、それとも「弛緩」と呼ぶべきだろうか?