«前の日記(2020-03-29) 最新 次の日記(2020-03-31)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2020-03-30 【まだ戦いは始まったばかり】

夜、小池都知事の会見がございまして、ずっと見ておりました。こういった時こそ、ハッタリでもいいので「強いリーダー」を見せてもらいたいものでしたが、今まで通りの状況説明に終わってましたね。ただ、都知事と専門家チームとの関係が非常にうまく行っているのが感じられたのは、好印象でございました。

ワタクシは都知事に、あることを強く叫んで欲しかった。それは、「東京に出てきている若者は、絶対に帰省しないこと」、そして、「今年のエイプリルフールは無し!」ということでございます。イタリアなどは帰省者によって大きく感染が広まってしまった。また、4/1にデマを流すバカ者が絶対に出てくるはず。どうかそういうのは、厳罰の方向で!

台湾やシンガポールなど、封じ込めにかなり成功している国の指導者は、この非常時に強権を連発しております。特に、封鎖とデマに関しては、かなり厳しく取り締まっている。政府の「本気度」を見せることで、国民に緊張感が出るということもございます。安倍さん、小池さん、厳しい立場でしょうが、こんなときこそ勇気を持って、強権に出て欲しいです。

さて、小池都知事の会見、一番最後の質問で専門家の方が非常に重要な発言をしてましたが、記者の方は気付かなかったようでございます。国民の何パーセントが、あの専門家の発言の重要さに気付いていたのでしょう。今日は、それを解説いたします。また数学のお話になっちゃいますが、苦手な方はサラサラ~と雰囲気だけ楽しんで下さいませ。

その質問は、今後のデータ分析に関する質問。専門家の方は「ある日突然2倍3倍になるような、”指数関数的な増加”」に関して言及しておりました。「増加の仕方」が重要であり、それに注目する限り、「まだ」感染爆発は起きていないとのこと。では、何を持って感染爆発とするのか? それを数学的に紐解きますです。今日も長くなっちゃうけど、ゴメンネ。


想像してみて下さい。ここに、AさんとBさんが貯金をします。Aさんは元金¥1,000で毎日¥100ずつ定額貯金。Bさんは元金¥100ですが、毎日、貯金額が1.2倍になるように足して行きます。さぁ、1ヶ月後に、いくら溜まっているでしょう?

A:元金¥1,000 毎日¥100加算
2日目 ¥1,100 差額¥100 増加率10%
3日目 ¥1,200 差額¥100 増加率9.1%
4日目 ¥1,300 差額¥100 増加率8.3%
5日目 ¥1,400 差額¥100 増加率7.7%
B:元金¥100 毎日1.2倍に
2日目 ¥120 差額¥20 増加率20%
3日目 ¥144 差額¥24 増加率20%
4日目 ¥173 差額¥29 増加率20%
5日目 ¥202 差額¥34 増加率20%

これを1ヶ月分繰り返しますと、Aさんは¥4,000、Bさんは何と¥23,738になるのでございます。Bさんは元金こそAさんの10分の1ですが、19日目にはほぼ追いつき、その後は貯金額をグングン伸ばしていくのでございます。Aさんの増え方を「直線的」、Bさんの増え方を「指数関数的」と申します。この二つの増え方の違い、よ~く覚えておいて下さいませ。

実は、ウィルスが感染爆発の状態になると、Bさんの様な増え方をいたします。ある感染者から数人に感染し、その感染した人がまたそれぞれ数人に感染させる、こういったことが繰り返されるからでございます。この連鎖を抑え込んでいる内は、Aさんの様な増え方でとどめることが出来るのでございます。

以前、以下のサイトで感染者数を確認するときにも、ワタクシはグラフの形を「Logarithmic(対数表)」にすべきだと申し上げました。対数グラフで見ることによって、増え方がAなのかBなのかが分かるからでございます。対数グラフでは、Aの増え方は横ばいか下降線、Bの増え方は右上がりの直線になるからでございます。


Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

では、専門家チームは何を見ているか? それは「増加率」でございます。Aの方は、日々数字は増えておりますが、増加率は下がっております。差分は一定ですが分母がどんどん大きくなるから増加率は下がるわけですね。一方Bでは、増加率は20%のまま。「増加率増えてないから安心じゃね?」と思いがちですが、Bの方の数値は後々、爆発的に増えていくことになるのでございます。

この指数関数的な変化を表にしてくれているサイトがございます。それを説明しているYouTube(字幕付き)もございます。合わせて、ご紹介いたしましょう。


新型コロナウイルス(COVID-19)を倒したかを知る方法

https://www.youtube.com/watch?v=54XLXg4fYsc

Covid Trendsのサイトを見ると、感染者数の違いはあれど、ほとんどの国が綺麗な右上がり曲線に乗っかってますね。日本は他の国より傾きが緩やかだったのに、3/20頃からは、むしろ他の国よりも大きな傾きで増加している。専門家の方々は、この変化、気が気ではないでしょうねぇ。また、韓国と中国が大きく右下がりをしております。もしこれが事実なら、中韓は収束に向かっていると言えます(まぁ、正直に報告しているという前提ですが)。

今、ワタクシ達が一番注目しなければならないのは「増加率」でございます。「10万人以上が感染しているアメリカやイタリアに比べて、日本はまだまだ少ないじゃん」とか、「人口あたりの死亡率が低いから」と言って安心してはいけないのでございます。

増加の仕方がAならば、なんとか押さえ込んでる感じ。しかし、もしBの形で増加が始まったら、それは感染爆発を意味する。そして医療崩壊が起きれば、あっと言う間に死亡率は跳ね上がるのでございます。小池都知事の会見でも、そこを突っ込める記者を、各マスコミは送って欲しかったなぁ。何か、ゲスな質問ばかりだった様な気がいたします。

今日は長くなってしまいましたね。そして、ちょっと怖い話にもなってしまいました。もし韓国が封じ込めに成功しているのなら、日本は恥も外聞も捨てて、韓国に学ぶべきでございます。どうでしょうか? では、では。


※参考動画(最後の質問は39:17頃)

小池都知事が緊急会見「平日の夜間も外出自粛を」(20/03/30)

https://youtu.be/NQcbVTCsvDk

«前の日記(2020-03-29) 最新 次の日記(2020-03-31)» 編集