店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
日本人はマスクを盲信する国民性がございます。マスクを本来の目的とは違う目的で付ける人も大勢いらっしゃいます。ワタクシはかねてから、日本人のそういった「マスク乱用」に批判的でございました。が、今回ばかりはその考えを改めなければなりません。
もうね、連日、コロナとかマスクといった話題ばかりで申しわけございません。例の新しい肺炎ですが、すでに「旬」は欧州に移ったようで、中国あたりは終息に向かっている感がございます。日本は極端な検査数の少なさがございますが、それを差し引いて見ても、欧米に比べると大きく蔓延を遅らせている感じがいたします。
ここに来て思うに、これには日本人のマスク信仰が大きく関わっている感じがいたします。今回のウィルスは、「症状の出ない人がまき散らす」という極悪な性質。つまり、蔓延を遅らせるには、症状が出た人だけでなく、無症状の人もマスクを付けるべきなのです。
この「無症状の人がマスクをつける」という感覚、日本とアジアの数国以外ではまず有り得ない。でも、世界でも希有な日本人のこの慣習が、今回のウィルスにとっては非常に有効だったのでございます。ややマスクに馴染みのあるアジア圏では蔓延が遅く、医療現場以外では全くマスクを使わない欧米で加速度的に蔓延が進んでしまっております。
さらに、「症状の出ない若い人が、無意識にばらまいてしまう」という指摘もされております。ここにも、今の若い人がよくする「伊達マスク」が功を奏した! 「美人に見える」「愛想笑いをしなくていい」「顔が隠せて安心」などの理由で使われる伊達マスクですが、偶然にも、無症状の若い人がウィルスをばら撒いてしまうのを防いだのでございます。
「マスクは防止のための効果はほとんどない」というのが定説でしたが、今回のウィルスに対しては、その定説が覆ったのでございます。ワタクシ、長年、日本人のマスク信仰に批判的でございましたが、いや、謝ります、ゴメンナサイ。今回は、日本人のマスク信仰が、蔓延を遅らせるのに実に有効に機能している感じがいたします。
さて、もうひとつ、これに関連したお話を。以前、日本人は距離を置く人付き合い、欧米人は距離を詰める人付き合い、そんな事をお話しいたしました。日本では、人との距離を詰めすぎるのは失礼という感覚がございます。一方欧米は、握手し、ハグし、相手と密着することが礼儀であり愛情表現であったりいたします。
これには一説に、刀文化と拳銃文化の違いだなんてことも言われてます。刀は、間合いを取った方がお互いに安全。しかし拳銃は、間合いを詰めた方がお互いに安全なのでございます。この違いから、人付き合いの違いが生まれたのではなんて説もございますが、まぁ諸説有るのかもしれません。あまり信じないように。
で、この人付き合いの距離感が、蔓延の速さに大きく関わっている感が否めません。「無症状の人でもばら撒く」「頻繁に密接な接触をする人付き合い」、この二つの条件の相乗効果で、欧州では異常な速さで蔓延したのではないでしょうか。そんな気がいたします。